3月23日、静岡県の富士スピードウェイで2024年スーパーGTの公式テストが開幕した。初日午前のセッション1は開始からウエットコンディションとなるなか、GT500クラスはau TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)、GT300クラスはPACIFIC ぶいすぽっ NAC AMG(阪口良平/冨林勇佑/藤原優汰)がトップタイムを記録している。

 いよいよ開幕が迫ってきた2024スーパーGT。3月16〜17日の岡山公式テストから2週連続で行われる今回の富士公式テストは、開幕戦前最後の公式テストになるため、どのチームにとっても重要な走行時間となる。

 舞台となる富士スピードウェイは金曜搬入日こそ晴天に恵まれたものの、迎えたテスト初日は朝から雨粒が落ち始めていた。雨は走行開始時刻の9時には止まず、セッション1はウエット宣言が提示されるなかスタートした。

 セッション開始時の気温は5度、路面温度は8度という極寒のコンディションのため、序盤は走行するチームとピットで待機するチームで選択が分かれる。コースに出たマシンも気温と路面温度が低いかつ、強まる雨によってコースアウト、スピンしてしまう難しい状況が続く。

 その後は雨が弱まったことで徐々に各マシンがコースイン。走り続ける車両たちによって走行ラインの雨量も少なくなってくる。セッション折り返しとなる1時間30分時点でのGT500クラストップは36号車au TOM’S GR Supraの1分36秒174、2番手には16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT、3番手には24号車リアライズコーポレーション ADVAN Zが続く。

 GT300クラスは1分44秒003で9号車PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGがクラストップとなり、2番手には岡山公式テストから好調さをみせる88号車JLOCのランボルギーニ・ウラカンGT3エボII、3番手には新たにフェラーリ296 GT3にマシンチェンジする6号車VELOREX FERRARI 296 GT3という順でセッション後半へ移る。

 セッション1はその後もコースアウトやスピンする車両がありつつも、アクシデントなく11時に開始から2時間が経過。しかし、そのタイミングでふたたび雨が強まり、2コーナー先で45号車PONOS FERRARI 296のリル・ワドゥがクラッシュを喫し赤旗中断となった。

 ドライバーのワドゥは無事ということだが、PONOS FERRARIはフロントまわりを中心に大きなダメージを負ってしまった。なお、セッション1はアクシデントのあったガードレールの修復が必要となることから、赤旗をもって終了ということがアナウンスされた。

 この結果、GT500はau TOM’S GR Supraが1分36秒174のトップタイムでセッション1を終えた。2番手には終盤に1分36秒576を記録した14号車ENEOS X PRIME GR Supra、3番手は1分36秒690で16号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GTというトップ3に。

 GT300クラスはセッション折り返しからトップ3は変わらず、PACIFIC ぶいすぽっ NAC AMGが1分44秒003でクラストップ、JLOCの88号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボIIが1分44秒015で2番手、VELOREX FERRARI 296 GT3が1分44秒529で3番手に続いた。復活を果たした25号車HOPPY Schatz GR Supra GTは1分47秒036というベストタイムを記録している。

 2024スーパーGT富士公式テストの初日はお昼のピットビューイングを挟み、14時から新たな“タイム合算方式”となった新予選をテストするセッション2が行われる予定だ。