4月19日、イタリアのイモラ・サーキットで2024年WEC世界耐久選手権第2戦『イモラ6時間レース』のフリープラクティス1回目が行われ、AFコルセの83号車フェラーリ499P(ロバート・クビサ/ロバート・シュワルツマン/イーフェイ・イェ組)が週末最初のセッションでトップタイムを記録した。

 ポルシェ963勢が表彰台を独占したカタールでの開幕戦からおよそ1カ月半、WECは次なる舞台となるイタリアへ。この2024年はモンツァで改修工事が行われている関係で同国のイベントがシリーズ初開催となるイモラへと移っている。

 そんなWECイモラに向けては、前戦から変わらず37台のマシンがエントリーリストに名を連ねた。内訳はハイパーカー19台とLMGT3カー18台だ。なお、ハイパーカークラスではリヤウイングの装備を含む大幅改良が行われたプジョー9X8がデビューする。

 穏やかな日差しのもと気温15℃、路面温度27℃のドライコンディションで現地正午から始まったフリープラクティス1回目(FP1)は途中、その93号車プジョーがストップしたために赤旗が出たが、再開後は中断されることなく最後まで進んだ。

 90分にわたって行われた走り出しのセッションでトップタイムを刻んだのは、イェがドライブする83号車フェラーリ。タイムは1分31秒347だった。フェラーリAFコルセが走らせる“ワークスカー”の50号車フェラーリ499Pは0秒156及ばず2番手。3番手はジャン-エリック・ベルニュのドライブ中にトラブルが出て赤旗の原因となってしまった93号車プジョー9X8だ。このクルマはBoP(性能調整)によって9車種のハイパーカーの中でもっとも重い1061kgという最低重量が設定されたが、1分31秒964をマークして走り始めから好位置につけた。

 フェラーリ陣営と同じく今大会が母国レースとなる63号車ランボルギーニSC63(ランボルギーニ・アイアン・リンクス)からは1分32秒台のタイムに。

 1分32秒015というタイムで4番手につけた63号車に続いたのは、51号車フェラーリ499P(フェラーリAFコルセ)、99号車ポルシェ963(プロトン・コンペティション)、5号車ポルシェ963と前戦のウイナーである6号車ポルシェ963(ともにポルシェ・ペンスキー・モータースポーツ)だ。さらにトヨタGR010ハイブリッド(TOYOTA GAZOO Racing)の7号車と8号車が続き、ここまでがトップ10となった。

 LMGT3クラスではTFスポーツ勢がワン・ツー発進を決め、小泉洋史/セバスチャン・バウド/ダニエル・ジュンカデラ組82号車シボレー・コルベットZ06 GT3.Rがクラストップとなる1分42秒113をマーク。姉妹車をコンマ6秒以上引き離した。

 54号車フェラーリ296 GT3(ビスタAFコルセ)は、イタリアの英雄バレンティーノ・ロッシ駆る46号車BMW M4 GT3(チームWRT)を0.017秒上回って3番手に。BMWを間に挟むかたちでもう一台のフェラーリ(ビスタAFコルセ55号車)が5番手。トップからジャスト1秒おくれとなった31号車BMW M4 GT3(チームWRT)が6番手だ。

 以下、91号車ポルシェ911 GT3 R(マンタイEMA)、27号車アストンマーティン・バンテージAMR GT3(ハート・オブ・レーシングチーム)、木村武史組87号車レクサスRC F GT3(アコーディスASPチーム)と続き、佐藤万璃音のドライブで1分43秒716を記録した95号車マクラーレン720S GT3エボ(ユナイテッド・オートスポーツ)がクラス10番手となっている。

 WEC第2戦イモラの初日はこのあと現地17時15分(日本時間20日0時15分)から2回目のフリープラクティス(FP2)が行われる。