「いい感じです。ホームランは10試合ぐらいで3本出ているので悪くないのかなと思います」。

 ロッテの山本大斗はここまで10試合に出場して、イースタン・リーグトップタイの3本のアーチを描く。

 山本は昨年のオフは逆方向に強く振ることをテーマにやってきたが、このオフは「リハビリが多かった。まずは感覚を取り戻すのと、下半身を使って練習する、打撃をするというのを戻していました」と、昨年10月12日に手術した右足のリハビリがメインだったとのこと。

 昨季ファームに落ちた後から取り組むリラックスした状態から一発でスイングするバッティングを現在も継続。今季から新たに取り組み始めたこととして、「上半身は力を抜いて、下半身での打撃を意識してやっています」と、“下半身”を意識したスイングに取り組む。「あとはタイミングの取り方とかは今かなり意識してやっています」。

 昨年は逆方向を意識して打撃練習を行ってきたが、今年見ると、公式戦ではレフト方向の当たりが多い。「(センターから反対方向を)意識はしているんですけど、結果的に甘いカウントでのホームランが多い。そこはしっかりストレートを狙ったボールを捉えられているので、レフトに飛んでいるので別に問題ないのかなと思います」とキッパリ。

 この先、一軍に上がるために「長打を求められることが多いと思うので、ファームで長打を打ってアピールして、いつでも一軍でできる準備をしていきたいと思います」と意気込む。

 一軍でホームランを打つために必要なことについて「リラックスして、今自分がやっている下半身主体のバッティングができれば一軍で打てると思います」と自信を見せた。

 一軍の試合は「いつ呼ばれても、しっかり対応できるようにずっと見ています」と、映像をしっかりチェック。一軍の外野陣を見ると荻野貴司、ポランコ、山口航輝、愛斗と左翼、右翼を守れる選手はいるが、中堅ができる選手は岡大海、和田康士朗、右翼がメインの愛斗。山本はファームで左翼、右翼だけでなく、中堅でも4試合連続でスタメン出場する。試合前の守備練習では、「センターも守れるように守備の練習も最近やっています」と力をいれる。

 石垣島春季キャンプ中の取材で山本は今季に向けて、「他より目立たないといけないと思うので、ホームラン、長打、必要なところで打てる打撃をアピールしていって、一軍でそれを発揮したい。とにかく一軍でプレーすることにこだわって、3年間ファームなので4年目なので、とにかく一軍でプレーするだけです」と一軍でプレーする強い思いを口にしていた。現在一軍は、チーム本塁打1本と長打力不足に陥っている。“ダイナマイト山本”はいつ一軍から声がかかってもいいように、今はファームで牙を研ぐ。

取材・文=岩下雄太