◆サンズとのシリーズ初戦ではマレーがゲームハイの34得点で快勝
第2戦ではヨキッチが39得点16リバウンドの大活躍でナゲッツが2連勝

 4月30日(現地時間29日、日付は以下同)に幕を開けたデンバー・ナゲッツとフェニックス・サンズによる「NBAプレーオフ2023」ウェスタン・カンファレンス・セミファイナルは、2試合を終えてナゲッツがホームのボール・アリーナで2連勝とした。

 初戦はジャマール・マレーがゲームハイの34得点に5リバウンド9アシスト2スティール、ニコラ・ヨキッチが24得点19リバウンド5アシスト、アーロン・ゴードンが23得点6リバウンドを残して125−107で快勝。

 2021年4月中旬に左ヒザの前十字靭帯(ACL)を断裂したことで、2021−22シーズンを全休していたマレーにとって、今年のプレーオフは2020年以来3年ぶりの大舞台。

「僕は健康体になって、この舞台に戻ってこのレベルでプレーするのを楽しみにしていたんだ。1年間のこの時にね」と語ったマレーについて、ヨキッチは「彼は素晴らしいプレーをしているよ。このチームのベストプレーヤーであり、今の僕らは彼についていっているんだ」と手放しで称賛していた。

 もっとも、2日に行われた第2戦では両チームとも100得点未満というロースコアな展開となるなか、ヨキッチがいずれもゲームハイとなる39得点16リバウンドに5アシスト2スティールの大活躍で2連勝へと導く殊勲者に。

 マイケル・マローンHC(ヘッドコーチ)は「アグレッシブなニコラが大好きなんだ。ニコラがMVPに選ばれていることには理由がある。彼は試合を支配できるし、相手をいろんな方法で倒すことができるんだ」と大黒柱を絶賛。

 ヨキッチは「自分のチームが僕にアグレッシブになるよう求めてくれた。今日はそんなゲームだった」と謙そんも、チーム最長の41分16秒コートに立ち、フィールドゴール成功率56.7パーセント(17/30)と積極性が光っていた。

 第2戦で勝利を飾った翌日。NBAは今シーズンの最優秀選手賞(MVP)を発表し、フィラデルフィア・セブンティシクサーズのジョエル・エンビードが初選出。

 2年連続でMVPに選ばれているヨキッチは、もし今年も選出されれば1984〜1986年のラリー・バード(元ボストン・セルティックス)以来となる3年連続MVPという快挙だったのが、今年は1位票15を含む計674ポイントで2位に終わった。ヨキッチは2日の時点でMVPの発表には「全く興味はない」と語り、すでにメディアと放送関係者による投票が終わっていることもあり、「どうしようもないこと」と口にしていた。

 とはいえ、ヨキッチがリーグ最高級の実力者であることに変わりはない。マローンHCはナゲッツをけん引するセルビア出身の万能型ビッグマンをこう称えていた。

「彼が勝ち取れば、我々は彼のことを祝福するし、とてもうれしいことだ。3年連続だなんて、ものすごい偉業じゃないか。NBA史上でもわずか数人しか成し遂げていないことだからね。ただ、もし彼が勝ち取れなくても、私は彼のことをハグして私には君こそがMVPだと伝える」

 ナゲッツとサンズのシリーズは、会場をボール・アリーナからサンズのホーム、フットプリント・センターへ移して6日に第3戦が行われる。ヨキッチ&マレーという2枚看板擁するナゲッツがこのまま3連勝で王手をかけるのか、それともデビン・ブッカー、ケビン・デュラントというリーグ屈指のスコアラーたちがやり返すのか。両チームの今後の戦いぶりにも注目だ。

【動画】シリーズ第2戦で39得点を奪って勝利を飾ったヨキッチのハイライト!