9日、東京都・後楽園ホールにて全日本プロレス『ドリームパワーシリーズ2024』が開催。諏訪魔&鈴木秀樹が世界タッグ王座の初防衛に成功した。

 全日本のヘビー級タッグ王座である世界タッグ王座は、双子の大相撲力士レスラーであるVOODOO-MURDERSの【SAITO BROTHERS】斉藤ジュン&斉藤レイが保持して無敵の防衛ロードを築いてきた。しかし、レイが2月9日の試合中に右肩関節脱臼の怪我を負ったことで無念の王座返上。

 諏訪魔と秀樹は、ひょんなことからタッグを組んで昨年の世界最強タッグ決定リーグ戦へと出場。誤爆と仲間割れを繰り返しながら仲を深めていき、強力なタッグチームへと成長。2月の後楽園ホール大会では一騎打ちを行ってさらにお互いのことを分かり合い、プライベートで一緒にラーメンを食べに行くまでの関係になった。

 その後、諏訪魔&秀樹は空位となっていた世界タッグ王座新王者決定戦に出場。会話が全く噛み合わなかったり誤爆が誤爆を呼んだりと相変わらずながら無類の強さを発揮し、先月25日の京都大会では見事王座戴冠を果たした。

 諏訪魔&秀樹の初防衛戦の相手として立ちはだかったのは、芦野祥太郎&黒潮TOKYOジャパン。末期のWRESTLE-1の“陰と陽”の二大巨頭として奮戦し泥水をすすってきた2人の強力タッグだ。

 芦野&黒潮のセコンドには、元WRESTLE-1の立花誠吾もセコンドに駆けつけて「絶対獲るぞ!」と結束を固める。
 対する諏訪魔&秀樹は入場時から言い争い&小突き合いをしながら登場。王者と挑戦者で対照的な雰囲気をまといつつ試合へ。


 ゴングが鳴ると、黒潮が大型ヘビー級の2人を相手にビビりまくったことで王者組にチャンス到来。しかし、王者組の息は全く合わず、合体攻撃を失敗するばかりか意図的な誤爆まで飛び出す始末。
 芦野がバックアップに回ったことで黒潮も調子を取り戻し、試合は挑戦者ペースに。黒潮がイケメンサルトを決め、芦野も大一番でしか出さないムーンサルト・プレスを発射。
 これをかわした諏訪魔がラリアット&バックドロップで猛攻をかけるが、芦野もアンクルホールドで食い下がる。しかし、秀樹がドロップキックで諏訪魔を救出。最後は諏訪魔が芦野にバックドロップ・ホールドを、秀樹が黒潮にダブルアーム・スープレックス・ホールドを決める競演で3カウントを奪った。

 試合後、TARUがVOODOO-MURDERSの面々を率いてリングに上がり、3月30日の大田区総合体育館でジュン&レイの2人を世界タッグ王座に挑戦させることを決定。

 この日も三角巾で腕を吊りながらセコンド業務に従事していたレイだったが、三角巾を投げ捨てると右腕を振り回して万全をアピール。さらにエントリーされていなかったチャンピオン・カーニバルに参戦させるよう団体側に迫った。
 これを見ていた兄のジュンは、「プロレスラーは超人だからな。怪我の治りも早い」と満足げに頷いた。