2023年5月12日(金)、13日(土)に開催された、多彩な電動の乗りものが一堂に集結した展示会『BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023』で、e-BIKEをはじめユニークな乗りものを見ることができました。

e-BIKEのさまざまな活用方法

 電動アシスト自転車(e-BIKE)や電動キックボードをはじめ、電気自動車、電動スクーターなど、これからのモビリティの中心になるかもしれない多彩な電動の乗りものが一堂に集結した展示会『BICYCLE-E・MOBILITY CITY EXPO 2023 〜自転車-電動モビリティまちづくり博〜』が、2023年5月12日(金)、13日(土)に東京・西新宿の新宿住友ビル三角広場で開催されました。

世界的なチェーンメーカーとしても知られる株式会社椿本チエインが開発した電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」のコンセプトモデル
世界的なチェーンメーカーとしても知られる株式会社椿本チエインが開発した電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」のコンセプトモデル

 2023年7月からの新ルールで、基準を満たした電動キックボードが自転車とほぼ同等の交通ルールで公道を走行できるようになるなど、電動モビリティはこれまでになく注目を集めています。

 そしてe-BIKEも、1993年に世界で初めてヤマハが商品化した時から30年の節目を迎え、いまや日常でも当たり前に見かける存在となり、海外製を含めさまざまなメーカーが参入するなど、これからもますます発展していくことが見込まれます。

 会場には有力メーカーや新興EVメーカーの新型電気自動車、電動バイク、電動キックボードをはじめさまざまな電動モビリティ、コンセプトモデルが所狭しと並び、その活気に勢いを感じます。

 さらにEV充電器メーカーの最新機器や自転車の新型駐輪設備、自動車の新型駐車場システムなど、電動モビリティを快適に活用するためのインフラ設備も展示されており、未来のまちづくりも想像させてくれます。

ICOMAの折りたたみ電動バイク「TATAMEL BIKE(タタメルバイク)」
ICOMAの折りたたみ電動バイク「TATAMEL BIKE(タタメルバイク)」

 e-BIKEもさまざまなメーカーから興味深い車両が展示されていました。1910年創業という長い歴史を持つオランダの自転車メーカー「Van Raam」では、身体にハンディキャップを持った人でも自転車を楽しめるよう開発されています。縦(前後)に並んで乗るタンデム自転車だけではなく、横に並んで走ることができる車種など、ユニークなアイデアが満載でした。

さまざまなアイデアが詰まった「Van Raam」のe-BIKE
さまざまなアイデアが詰まった「Van Raam」のe-BIKE

 今回の展示で目を引いたのは、荷物を運搬するために開発されたe-BIKEです。現在は、あくまで個人の移動のための乗りものであり、何かを運ぶとしても前後のカゴを利用した小さな荷物の運搬がメインですが、電動アシスト機能のパワーと自転車の小回りの良さを活かした利用が期待できそうです。

フロント2輪の電動アシスト3輪カーゴバイク「STREEK Cargo Trike」
フロント2輪の電動アシスト3輪カーゴバイク「STREEK Cargo Trike」

 近未来的なスタイルも魅力的なエンビジョン株式会社の「STREEK Cargo Trike」は、フロント2輪の電動アシスト3輪カーゴバイクです。フレーム部分に積載スペースをレイアウトする独特のデザインで、初見ではかなり大きく感じるますが、実際の車体サイズは普通自転車のサイズに収まっており、従来の自転車と同じように使うことができます。

文字通り、多目的な利用を想像させる椿本チエインの電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」
文字通り、多目的な利用を想像させる椿本チエインの電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」

 世界的なチェーンメーカーとしても知られる株式会社椿本チエインが開発した電動アシスト3輪自転車「多目的e-Cargo」は、“誰もが気軽に乗れる多目的電動自転車”をコンセプトに、従来のシニア向け3輪自転車をより使いやすカタチに進化させています。釣竿やゴルフクラブのような長さのあるものを積んだり、旅行先でキャリーバッグを運んだりと、用途が広がりそうです。

 現状、自転車の積載量は法律で30kgまでと規定されていますが、e-BIKEのスペックとしてはさらに重い荷物を運ぶことも可能です。このあたりがうまく調整されれば、物流での活用も期待されますし、万が一の災害時にはクルマなどが入れない場所にいち早く到着できる移動手段として活躍してくれるかもしれません。

 e-BIKEの未来を感じさせてくれる興味深い内容の展示は、同時に、さまざまな電動モビリティの進化にも驚かされるものでした。今後も脱化石燃料とEVシフトが加速していく中、e-BIKEとともに同じ道路を走る仲間として、その発展に注目していきたいと思います。