日本テレビ系の「 金曜ロードショー 」で4月5日午後9時から、新海誠監督の最新作『 すずめの戸締まり 』が地上波初放送。一部のファンの間では有名な初期設定をご紹介しましょう。

『すずめの戸締まり』劇場公開時の入場者プレゼントだった小冊子「新海誠本」(安藤健二撮影)

『すずめの戸締まり』とは?

金曜ロードショーの作品紹介によると、主人公は九州の静かな町に暮らす17歳の女子高校生、岩戸鈴芽(いわと・すずめ)。ある日、「閉じ師」を名乗る不思議な青年・宗像草太(むなかた・そうた)と出会い、災いの元となる「扉」を閉めていくために、日本各地の廃墟を巡る旅に出る……という内容の長編アニメ作品です。
鈴芽の声は原菜乃華(はら・なのか)さん、草太の声は松村北斗(まつむら・ほくと)さんが演じています。この男女二人が出会って、日本中を旅するロードムービーのような構成が印象的です。

「“なのか”と“たまき”という少女二人のロードムービーだったんです」と新海監督

この作品、初期設定では男女二人を軸とした映画ではなかったそうです。新海監督自身が「少女二人のロードームービー」だったと明かしています。
2022年11月の劇場公開時の入場者プレゼントだった小冊子「 新海誠本 」に掲載されたインタビューには、新海監督の以下のような言葉が掲載されています。
🗣️「主人公に関しては、前作の『天気の子』がどちらかというと男の子の物語だったので、今度は女の子の物語にしたいというのがありました」
🗣️「昨晩、このインタビューに答えるために昔のプロットをいろいろ読み返していたら、最初期のヒロインの名前が“なのか”だったのに気づきました。偶然なのですが、原菜乃華さんと同じく“なのか”で(笑)」
🗣️「その頃のプロットでは“なのか”と“たまき”という少女二人のロードムービーだったんです。“たまき”はその後、叔母さんのキャラクターになっていたわけですが」
🗣️「いくつものプロットを経ながら物語の輪郭が出来上がってきた頃に、ヒロインの名前を改めて鈴芽と決めました」

ファンの反響は?「ぜひともその世界線を観たかった」と惜しむ声の一方で「一般受けしない」との指摘も

新海監督が明かしたこのエピソードについて、ファンの間ではさまざな声が出ています。
女性同士の親密な関係性を描く作品群は「 百合 」と呼ばれて、近年人気を集めています。『すずめの戸締まり』と同時期のTVアニメでは『 リコリス・リコイル 』や『 機動戦士ガンダム 水星の魔女 』などが百合を描いた作品として定評があります。
アニメファンのブログでは「個人的にはぜひともその世界線を観たかった。新海監督の百合作品が描かれたらとても美しい物語になると思う」と 惜しむ声 や、「百合作品が好きなので、個人的には是非新海さんに作ってほしいです」と次回作に 期待する声 が見受けられます。
その一方でアニメ専門の「 あにまん掲示板 」では「一般受けはしなかったと思う」「見たいと思う反面、あそこまで伸びなかったと思う」として、2006年の『 君の名は。 』で 251億円 という記録的な興業収入となった新海監督の新作としては、マニアックな設定になるのではと指摘する声も出ていました。