競馬場で馬の世話をしながら猫の写真を撮影しているカメラマン、津乗健太(つのり けんた)さんによる写真展「楽しくなさそうにはしていない猫」が東京・高円寺で開催されています。

1972年・香川県生まれの津乗さんは、写真学校を卒業後に馬の写真を撮りたいという想いから牧場や厩舎(きょうしゃ = 競走馬を預かって調教・管理する施設)などに勤めて写真を撮り続け、2002年からは千葉県にある船橋競馬場の厩舎地区で馬の世話をする傍ら、そこで暮らすネコたちの写真撮影も開始。

1996年には競馬情報の専門雑誌である「優駿」のフォトコンテストで大賞を受賞し、2005年には「楽しくなさそうにはしていない猫」でコニカミノルタフォトプレミオを受賞するなど、競馬や猫が好きな人にとっては知る人ぞ知る写真家。厩舎で暮らす猫たちの写真展を各地で開催しているほか、2018年には書籍「人情船橋競馬場厩舎ネコ物語―津乗健太写真集」を発表しています。

現在写真展が行われているのは、高円寺駅から徒歩5分ほどの場所にあるライブ&DJバー「Oriental Force」で、昼はギャラリーカフェとしても営業しているお店。店内には船橋競馬場の厩舎地区で暮らす猫たちの写真が25点(大きなA0サイズが2点、A4サイズが23点)展示されていて、いずれも猫目線の高さに合わせて撮影し、カメラを見つめ返している写真のみをセレクト。ギラついた25頭の猫たちが睨みつけているという迫力満点の展示内容となっています。

普段は馬のお世話をしている津乗さんにとって、仕事中に一眼レフカメラで撮影することは困難なため、今回展示されている写真はすべてスマートフォンのカメラで撮影したものだと言います。

「カメラの性能も進化しており、大伸ばししても問題のないキレイな写真が撮れますし、カメラを持ち歩いていない仕事の合間にいきなり出くわしたりしても撮影できるので便利なのです。なかなかカメラに目線を向けてくれなくて、いい写真が撮れなくても、猫に嫌がられないようにあまり粘らないようにしています。警戒して逃げる猫を、追いかけたりしないようにしています。」
(津乗さん)