◇28日 センバツ高校野球大会準々決勝 報徳学園4―1大阪桐蔭(甲子園)

 大阪桐蔭は守備の乱れが響き、3季連続のベスト4進出を逃した。昨春センバツ準決勝で敗れている報徳学園(兵庫)に屈し、甲子園で初めて同じ学校に2敗を喫した。

 「1回に先制されて、何とか追い上げて後半勝負に持っていきたかったんですけども、それができなかった。夏への課題が詰まったゲームだったと思います。粘りきらないといけないときに守りのミスがあったりとか、自分たちのリズムに乗ってこれなかった。最後、1点差ぐらいのところでプレッシャーをかけて、ひっくり返すような形に持っていくしかなかったと思いましたけど、その前に失点してしまいましたので、まだまだ全体的に力不足を感じました」

 西谷浩一監督(54)は淡々と振り返ったが、表情には悔しさがありありとうかがえた。

 報徳学園のプロ注目の最速150キロ右腕、今朝丸には力強い速球で内角を果敢に攻められた。スコアボードに表示される球速は最速146キロだったが、ネット裏で高校野球関係者によるスピードガンでは148キロ。中盤から球速は上がり、平均でも146キロが出ていたという。同じくプロ注目の俊足、境は三塁打を含む3安打とチャンスメークしたが、得点源となるはずの3番・徳丸、4番・ラマル、5番・山路のクリーンアップが無安打に封じられた。

 両親がスリランカ出身のラマルは、4回に大きな中飛を放ったが「(バットの)芯でとらえたんですけど、打球を吹き上げてしまった。もっとライナーを打っていたら本塁打になったと思う」と悔しがる。

 今大会の2回戦で甲子園の「監督勝利」を更新しているが、70勝目は逃した西谷監督は、今朝丸について「良いのは分かっていましたけど、こういう投手を打たないと甲子園では勝てませんので、もっともっと鍛えていきたいと思います」と打撃力の向上も課題に挙げた。

 報徳学園は母校で、相手の大角監督は後輩にあたる。対戦前に「子どもたちには全く関係ないことですが、自分のなかで意識がないと言えばウソになると思います。自分を育ててもらった学校なので、良い試合をして勝ちたいと思います」と意気込んでいた。しかし、昨秋の近畿大会では勝ったものの、甲子園では昨春に続く連敗。敗戦後は「母校に負けたから、より悔しいとかいうのはないです。どこに負けても悔しいです」とつぶやいた。