◇羽ばたけ中部勢

 女子プロゴルファーとしての第一歩を踏み出した。昨秋のプロテストに合格した与語優奈(19)=スターツ=が6日まで行われた国内下部ツアー、ステップ・アップ・ツアーのヤンマー・ハナサカレディース(滋賀・琵琶湖CC)でプロデビュー。予選を突破し、30位で初陣を終えた。今月末にはレギュラーツアーでもデビューする予定。持ち味のショット力を生かし、若手の台頭が続くツアーへの定着を目指す。

   ◇

 春らしい穏やかな気候が続いた3日間のステップ・アップ・ツアー開幕戦を終えた与語は「緊張はあったけど楽しかった」と笑みを浮かべた。初日は予選カットラインぎりぎりの54位でスタート。10番スタートの1組目で回った2日目は前半で3つスコアを落としたが、後半に2つ伸ばして36位で予選を通過した。最終日はスコアを1つ落としたものの順位を上げた。

 「初日と2日目は苦しくて耐える感じ。最終日はパットが入らなかった。今の時期は芝が薄く、グリーン周りが難しい。もう少しチャンスにつけて、パットが入るようにしたい」

 アイアンショットに自信があり、得意なクラブは9番アイアン。ルーキーイヤーに備え、オフはショットの安定性をさらに高める練習に取り組んだ。ただ、デビュー戦のパーオン率は3日間とも61・1%。いきなり成果を発揮するところまではいかなかった。

 父に勧められ10歳でゴルフを始めた。愛知・長久手中3年で愛知県中学生選手権を制し、全国大会にも出場。通信制の高校に進んだ2020年春ごろからコロナ禍に見舞われ、多くの大会が中止となった。それでも、滋賀県高校選手権秋季大会優勝や関西高校選手権4位など1年時から好成績を上げ、3年時はプロツアーの予選を通過した。

 1歳年下で、昨秋のプロテストにトップ合格した愛知・誉高出身の清本美波(ジェイテクト)とは中学生の頃から家族ぐるみの付き合い。清本が「優奈ちゃんのお父さんは、めちゃくちゃ面白い人なんですよ」と言うほどだ。

9日に開幕したステップ・アップ・ツアー第2戦のフンドーキンレディース(大分・臼杵CC)に出場した後、26日開幕のパナソニック・オープン(千葉・浜野GC)でレギュラーツアーのデビューを果たす予定だ。「これからはゴルフが仕事になる、と思ってオフは練習してきた。今年の目標はステップ・アップ・ツアーの賞金女王。イ・ボミ選手(韓国)のような、いろんな人から応援してもらえる選手になりたい」。将来のトッププロを目指し、心技体のレベルアップに励む。

 ▼与語優奈(よご・ゆいな)2004年9月28日生まれ、愛知県長久手市出身の19歳。身長168センチ。10歳でゴルフを始める。愛知・長久手中では19年の日本ジュニア選手権女子12〜14歳の部3位など、通信制のECC学園高では22年の全国高校選手権春季大会2位など。23年秋のプロテストに2度目の挑戦で合格。ドライバーの平均飛距離は230ヤード。