F1 第5戦 中国GP スプリント&予選 20日

上海国際サーキット(5・451キロ×19周) ペン=尾張正博

 レッドブルのマックス・フェルスタッペン(26)=オランダ=が、またも圧倒的な速さを見せつけた。今季初のスプリントで4番グリッドから逆転勝利を飾ると、続く予選も余裕で制して開幕5戦連続(通算37回目)のポールポジションを奪取。同僚セルジオ・ペレス(34)=メキシコ=と2戦連続でフロントローを独占し、チームの通算100回目となるポール獲得を祝った。勢いそのままに、21日の決勝で自身初の中国GP制覇へ突き進む。

 フェルスタッペンが5年ぶりに開催された中国GPを席巻した。スプリントは4番手スタートから9周目にトップに立つと、わずか100キロ強のレースで2位に13秒もの大差をつけてゴール。圧巻のレースペースで他の追随を許さず、余裕の笑みを浮かべた。

 「まさかこれほどとはね。みんな5、6周でタイヤが劣化し始めたみたいだけど、僕は摩耗の程度が軽く、どんどん強くなっていった感じ。きちんとタイヤ管理ができて良かった。19周レースをしたことで、コースにも慣れたよ」

 続く予選では、飛び抜けた一発の速さも披露した。最終Q3では1分33秒977をマークして暫定ポールを決め、最終アタックでさらに0・317秒更新。2番手ペレスをコンマ3秒以上も引き離したばかりか、Q2のタイムですらペレスのベストを上回っていた。

1999年のミカ・ハッキネン(マクラーレン)以来となる開幕5戦連続ポールに、「ラストアタックは、すごく気持ち良かった。僕らのクルマは速いし、バランスもしっくりしてきて快適だったよ」と満足げ。チームの記念すべき節目にも到達し、「クリスチャン(ホーナー代表)に『取れば100回目だぞ』と言われて、『分かった。頑張ってみる』と答えてクルマに乗り込んだんだ。去年よりも予選に自信が出てきたよ」と笑った。

 早くも今季4度目となるポールtoウインに向け、死角は見当たらない。「風の具合とかは気になるけど、ここで戦う上での勘どころは分かった。たとえクルマの調子がスプリントのときの半分ぐらいだとしても、大丈夫だと思う」と自信満々。最終日も再び別次元の走りを見せ、上海の観衆を魅了する。(写真はAP)