東京ドームで5月6日に行われるボクシングの世界4団体統一スーパーバンタム級タイトル戦で、統一王者・井上尚弥(31)=大橋=に挑む元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(29)=メキシコ=が23日、東京都内で練習を公開。「見たことのないような試合を目撃する。流血を見るだろう。私はメキシカン。リングですべてを出して死ぬ覚悟だ」と、大番狂わせにかける壮絶な決意をみなぎらせた。

 練習内容はシャドー1ラウンド、ミット打ち1ラウンドのみのごく軽いもの。だが、ミットでは10連打以上のコンビネーションを出し、35勝(27KO)1敗のKOアーティストらしい爆発力をのぞかせた。

 「体重は127ポンド(約57・6キロ、リミットまで約2・3キロ)で問題ない。5カ月練習し、以前の試合の10倍、20倍ぐらい仕上がっている。井上はグレートなボクサーで全勝。有利と予想されるのは当然だが、過大評価されているとも思う。バスケットボールでいうマイケル・ジョーダンほどではない。研究し穴もいくつか見つけた。どこかは当日見せたい」

 同行したロサノ・トレーナーは、井上のスパーリングパートナーを務めていたメキシコ人ボクサーからも情報を得ていると明かした。井上は昨年12月のタパレス(フィリピン)戦の前からほとんどのスパーリングをメキシカンのパートナーと行っていた。

 公開練習は大橋ジム陣営も視察。井上の父、真吾トレーナーは「ワイルドなパンチの打ち方など想定の上でも下でもない。体格は思ったよりもコンパクトかなと。『穴を見つけた』は誰でも言う。でも対戦すると今までの相手も何もできなかった。だから特に何も思わないです」と話した。井上はすでにスパーリング練習を終了させ、ここからはマスボクシングなどで最終調整を行う予定だという。