WGP モトGP公式テスト 29日 

ヘレスサーキット ペン&カメラ=遠藤智

 浮上の切っ掛けをつかめないヤマハワークスが、新しい車両を持ち込み精力的なテストをこなした。エースのファビオ・クアルタラロ(25)=フランス=が18番手、同僚のアレックス・リンス(28)=スペイン=も14番手ながら、2人で計157周もの走り込み。午前10時のテスト開始から午後6時の終了まで、みっちりとプログラムをこなした。

 現行車で走り始めたクアルタラロは、途中から新型に乗り換えて本格的な比較テストを開始。新しい車体や空力部品、電子制御の調整も進めていった。84周を走り終え、「多くのデータを集められた。とてもポジティブだよ。ルマン(次戦フランスGP、5月12日決勝)までに、しっかりとデータを分析したいね」と明るい表情を浮かべた。

 リンスも同じプログラムで73周。「空力部品が良かったね。ルマンで使いたかったが、投入はもう少し先になりそう。車体はもっとテストが必要かな」と、冷静に状況を見据えた。

 ホンダ同様に長引く不振に苦しむヤマハは、主催団体からシーズン中のエンジン開発、空力部品とテスト日数の制限を受けない、最大限の優遇措置を受けている。今回もそのメリットを最大限生かし、復活への道を模索。2022年第10戦を最後に遠のいている勝利に向け、一歩ずつ歩みを進めていく。