【バルセロナ(スペイン)遠藤智】ロードレース世界選手権(WGP)は6日、最高峰モトGPクラスに2027年から施行する新車両規則などを発表した。最大排気量が現行の1000ccから850ccに縮小され、燃料タンク容量は22リットルから20リットルに、エンジンの年間使用基数は7基から6基に変更。すでに発表している100%持続可能燃料の導入と併せ、スピード抑制と環境問題への対応が軸になっている。

スピード抑制

 新規則の最も大きな変更は、エンジン排気量の小型化だ。4気筒は維持されたものの、現行から150ccも少なくなる。2002年に990ccの4ストロークに移行してから、07年に800cc、12年に1000ccとなり、3度目の変更。最高出力は現行の290〜300馬力から250馬力前後まで下がる見込みで、最高速度も昨季のイタリアGPで記録した時速360kmから落ちると予想される。

 空力部品の規制も強める。車体前方に装着するフェアリングカウルの小型化などで、効果の減少を狙う。今まで自由に許されていた車体後方の空力部品の変更は、年1回に限定。スタート時やコーナリング中に車両を自動調整するライドハイト装置など、ライダーの技能を補う装置は全面的に禁止する。

 新規則は、国際モーターサイクリズム連盟(FIM)とシリーズ運営会社のドルナ、チームで組織するIRTA、メーカー組織のMSMAで構成するグランプリコミッションが、協議を進めて決定した。