巨人の山口寿一オーナー(67)=読売新聞グループ本社社長=が1日、東京都内で開かれた「築地地区まちづくり事業」事業予定者決定に関する記者会見に出席。旧築地市場(東京都中央区)跡地にできる新スタジアムについて言及した。

 築地市場跡地の再開発を担う事業者に、三井不動産や読売新聞グループなどの11社が先月19日、東京都から選定された。中核施設として、野球やサッカー、コンサートもできる約5万人収容のマルチスタジアムが建設される予定。1988年開業の東京ドームの老朽化が懸念される中、新スタジアムは構想段階から、巨人の新本拠地として有力視する見方もあった。事業者が正式決定したことで、山口オーナーの発言も注目されていた。

 その山口オーナーは会見での質疑応答で「巨人軍の本拠地移転を前提に検討してきたものではございません」と繰り返した。その一方で「魅力あるスタジアムというのは当然、私どもとしても使ってみたい気持ちはあります」と語った。総事業費が約9000億円という大きなプロジェクトに携わる中、その目玉となる新球場を巨人が使いたいのは当然だろう。

 山口オーナーは「国際大会に関しては、新スタジアムは良き舞台になるのではないかと思っています」と言い、構造については「屋根に関しては閉じたままで、開閉型ではないということです。ですので人工芝を考えます」と語った。開業は2030年代前半を想定している。