◇5日 ヤクルト3―6中日(神宮)

 中日先発の高橋宏斗投手が自身2度目の完封勝利を逃し、9回に降板を告げられてベンチに下がると涙のようなものがほおを伝い、悔しさをにじませた。完封していれば昨年6月13日のロッテとの交流戦(バンテリンドームナゴヤ)以来だった。今季2度目の先発マウンドで初白星こそ記録したが、9回は自らの送球エラーで失点を重ね、2死二、三塁でオスナに右前に3失点目となる2点適時打を打たれたところでマウンドを降りた。奪った三振は11を数えた。

 8回までは絶好調だった。初回。先頭で迎えた西川を内角スプリットで空振り三振。続く丸山和は真ん中低め153キロで見逃し三振とすると、長岡も右飛に打ち取って無失点で切り抜けると一気に波に乗った。

 サンタナ、オスナの両外国人と捕手・松本直を除く6人の左打者が並ぶヤクルト打線に付け入る隙を与えない。4回の先頭・丸山和から5回2死で迎えた武岡まで6者連続三振。最速157キロを計測した真っすぐを軸に打者をねじ伏せた。

 さらに7回無死で迎えた打席では、相手の意表を突くセーフティーバント。三塁線へと転がして出塁し、細川の3ランで自ら本塁を踏んだ。

 開幕を2軍で迎えた高橋宏は、4月28日の広島戦(バンテリンドームナゴヤ)で今季初登板。7イニングを投げ3安打無失点と好投するも勝ち星はつかなかった。