【今中慎二の目】◇5日 ヤクルト3―6中日(神宮球場)

 投打がかみあった中日は連敗を3で止め、借金を1に戻した。6点を奪った打線にあって、3安打3得点と貢献したのが「2番・遊撃」で出場した2年目の村松開人内野手。今回の神宮3連戦は球団タイ記録の8打席連続安打も含めて14打数12安打の打率8割5分7厘。本紙評論家の今中慎二さんは以前からの変化をこう説明した。

 「投手の立場からしたら面倒やなと思う。この3連戦、とにかく落ちるボール球を振らなかった。ボール球に手を出さないことで、投手はボディーブローのように効いてくる。それでいて甘い変化球をしっかり捉えられていたから、打ち出の小づちのようになった」

 打撃の進化も見えたという。この日は2点リードの7回1死一塁の場面でヤクルトの左腕・山本から左前打。1ボール2ストライクと追い込まれながらも内角シュートを打ち返し、細川の駄目押し3ランを呼び込んだが、「難しいボールをヒットにできるのは、バットが内から出ているから。投手からしたら厄介。前日、4点差から追いついたのも村松の二塁打や四球から。きょうの6点目も村松の四球からだった。貢献度は高い」と振り返った。

 2年目での覚醒が見えてきた中、今中さんは「今回のようにずっと調子がいいというわけにはいかないと思う。でも、このチャンスを生かせば、レギュラーになれる。あとは走塁と守備。課題はあるけど、打撃を含めて積極的にプレーしてほしい」と期待を込めた。