◇11日 関西学生野球春季リーグ戦第6節1回戦 関西大0―1関西学院大(甲子園)=延長12回

 今秋ドラフト1位候補の関西大・金丸夢斗投手(4年・神港橘)は先発したが、腰に違和感を覚えたため、1安打、5奪三振の無失点のまま、4回限りで降板した。

 4回に1死から四球を与えたところで小田洋一監督が状態を確認するためにマウンドへ。ここは続投して、直後の打者を遊ゴロ併殺打に仕留めてみせたが、次の5回はマウンドに立たなかった。

 「3回に腰がピリッと来て、全力で投げられる状態ではなかったということ」と小田監督。金丸は「大事に至る前に自らやめておこうと思って、4回で降りました。腰は痛めたことあるんですけど、大学に入ってからはあんまりなかったです。腰は大事なところだと思っているので、あんまりフォームとかもおかしくならないように早めに自分から言いました」と話した。

 この7日間で19イニング、229球を投げた。5日の同志社戦(ほっともっとフィールド神戸)は11イニングで137球を投げて15奪三振の無失点。中1日で7日の同カードは6回から救援登板し、4イニングで41球を投げて1安打無失点、8奪三振。それから中3日で迎えた関西学院大戦だった。

 「もちろん疲労はあったと思いますが、そんなことも言ってられないので、きょうはしっかり勝とうと思ってマウンドに上がりました」と金丸は振り返る。

 神港橘高(兵庫)では経験のない甲子園。大学では3度目の登板だった。高校3年時は新型コロナウイルス感染症拡大のため、夏の全国選手権大会が中止。各都道府県で独自大会が開催され、金丸は打ち切られた5回戦まで勝ち上がり、ベスト8で最後の夏を終えている。

 関西大では2年春から年に1度、甲子園のマウンドに立ってきた。3度とも「関関戦」と呼ばれる関西学院大との”伝統の一戦”。2年春は救援登板で2イニング1/3を2安打2失点、3四球で敗戦投手。3年春はその雪辱をはらすかのように、8イニングを8安打1失点、7奪三振に抑えて勝利投手となった。

 優勝の望みがあるだけに、エースとして奮闘する自己最速154キロの金丸。今春、これが6試合目の登板(先発4度)で計39イニングを1失点(自責点0)で防御率0・00を継続。奪三振数は「52」となり、奪三振率は12・00だ。小田監督は「(25日からの最終節の)近大戦は大丈夫と思いますが、状態を見ながら」と無理はさせない方針で、金丸自身も「体と相談しながらやっていきたい」と話した。