福士蒼汰と松本まりかがダブル主演する映画『湖の女たち』より、福士と松本が水中での撮影に臨んだポスタービジュアル、本予告が解禁された。

 本作は、吉田修一による同名小説を大森立嗣の監督・脚本にて映画化。介護施設での殺害事件を発端に、想像もつかない方向へと物語がうねり出すヒューマン・ミステリーだ。

 湖畔の介護施設で100歳の老人が殺された。事件の捜査にあたった西湖署の若手刑事・濱中圭介とベテランの伊佐美は、施設の中から容疑者を挙げ、執拗な取り調べを行なっていく。その陰で、圭介は取り調べで出会った介護士・佳代への歪んだ支配欲を抱いていく。

 一方、事件を追う週刊誌記者・池田は、この殺人事件が、署が隠蔽してきたある薬害事件と関係があることを突き止めていくが、捜査の先に浮かび上がったのは過去から隠蔽されてきた恐るべき真実だった―。

 事件が混迷を極める中で、身も心もむき出しでさらけ出す難役に挑んだのは、刑事・濱中圭介役を演じた福士蒼汰と、事件が起きた施設の介護士・豊田佳代役を演じた松本まりか。圭介と佳代は、支配する者と支配される者の危うい関係を深めていき、密会を重ねてゆく。一心不乱に互いを求めてむさぼり合うその姿は、闇夜の湖畔でなまめかしい“生”の輝きを放つ。

 ポスタービジュアルは、圭介と佳代が「理屈では説明できない抗えない力」で引き寄せられ、溺れていく関係を表現するため、福士と松本が実際にプールに入り、水中での撮影を敢行したもの。「人は罪を犯し続ける。人は人を愛し続ける。」というコピーと共に、まるで湖に沈んでいくように水中に漂う2人の姿が印象的な、ミステリアスなビジュアルとなっている。

 本予告は、刑事の濱中圭介(福士)と介護士の豊田佳代(松本)が、ただならぬ状況で対峙する場面からはじまる。佳代の絞り出すような「私がやりました」という声とともに、バッハ『無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ』のパルティータ第2番ニ短調に含まれる「シャコンヌ」の切り裂くような旋律が流れ出す。

 続いて、圭介と伊佐美(浅野忠信)の執拗な取調べに、「うちはやってないんや」と泣き叫ぶ介護士・松本(財前直見)、そして危うい関係を深めていく圭介と佳代の姿などが次々と映し出されていく。「こんな人生望んでたんと違うよな」という圭介のセリフは一体誰に向かって問うているのか。

 一方、事件を追う週刊誌記者・池田(福地桃子)が、事件の背景に旧日本軍731部隊の存在があったことを知り、佳代の働く介護施設で亡くなった100歳の老人の妻・松江(三田佳子)と対峙する様子も描かれ、最後は「今、世界は美しいのだろうか―」と観客に問いかけるような言葉とともに静かな湖畔が映し出されて締めくくられる。

 果たして、過去から引きずり出される事実は、どんな答えを導き出すのか。そして厳かに静まりかえった湖のほとりで、後戻りできない関係に堕ちていく圭介と佳代の行く末は。豪華俳優陣が織りなす濃密でスリリングなアンサンブルに期待が高まる、重厚な雰囲気あふれる予告となっている。

 映画『湖の女たち』は、5月17日より全国公開。