旧車シーンで、頂点に立つのがスカイランであることは間違いない。特に人気なのがGT-Rであり、それも2枚ドアのハコスカだ。ここでは足回りなどにモディファイが加えられているものの、抜群のコンディションを維持しているGT-Rを紹介しよう。

専用パーツがおごられた、特別仕様のハコスカ

スカイラインGT‐R最大の魅力といえるのが、標準のスカイラインと見た目は大きく変わらないという点。いかにも普通のハードトップでありながら、レースで活躍するパフォーマンスをもつことから「羊の皮を被った狼」と比喩されることも多い。

ところが、見た目こそ変わらないが、GT-Rには数多くの専用パーツが使用されている。有名なところではグリルやオーバーフェンダー、そしてリアウイングなどが挙げられるだろう。そのほかにもミラーの色が異なったり、エンブレムの差し色が違うなど細かな部分にもGT-R専用品が多数備わっている。

ここに紹介するのはオリジナル度の高いロッキーオート所有の’71年式スカイラインGT-R。標準のスカイラインとの細かい差異を見つけるのもGT-Rを鑑賞するひとつの愉しみ方といってもいいだろう。

もっとも大きな特徴は、太いタイヤを履くべく、サーフィンラインが美しいスカイライン独特のリアフェンダー は開口部が大きくなるように切開され、オーバーフェンダーが備わるという点だ フロントフェンダー右の「アイドルHC特殊」ステッカー フロントクォーターのGTエンブレムが赤い挿し色なのはGT-Rのみ

CピラーのSエンブレムやリアクォーターのエンブレムは、ハードトップ共通のディテール トランク後端のSKYLINEエンブレムはGT-Rのみ赤い挿し色となる テールガーニッシュがないのもGT-Rの特徴 新車時に貼られた有鉛ステッカーも残る リアウイングも当然GT-Rのみの装備

NISSAN SKYLINE 2000 GT-R(KPGC10)|エンジンは当時珍しかったDOHCのS20型6気筒2000cc。ディテールをもっと詳しく拝見!

エンジンはDOHCのS20型6気筒2000cc。DOHCエンジンがまだ珍しい当時、S20型は他の気筒あたり2バルブのDOHC ではなく、気筒あたり4バルブの本格的なレースエンジンだった。

GT-Rのステアリングはブラックスポークでセンターに赤いSエンブレムが入るホーンパッドが付くのが特徴。GT-Rならではのディテールといっていいだろう。

GT-Rは5速マニュアルが標準で装備された。赤いシフトパターンが上部に備わるシフトノブがGT-Rの証である。

本来GT-Rはラジオがオプション扱いとなるが、取材車両にはラジオが装備されていた。

取材車両はより正確な情報を得るために、一部の計器が10000rpmタコメーターや油温、油圧、水温の各メーターに置き換えられている。

GT-Rはシートリクライニング機能がなく、背もたれ一体のバケットシートが標準装備となった。

2.GT-Rは助手席のサンバイザーもオプション扱いとなる。

【SPEC】
●全長:4330mm ●全幅:1665mm ●全高:1370mm ●ホイールベース:2570mm ●車両重量:1100kg ●エンジン形式:S20型(直列6気筒DOHC) ●総排気量:1989cc ●最高出力:160ps/7000rpm ●最大トルク 18.0kg-m/5600rpm

【DATA】
ロッキーオート
〒444-0003 愛知県岡崎市小美町字殿街道153
TEL:0564-66-5488(商談予約・問い合わせ)
営業時間:10:00〜19:00

※情報は取材当時のものです。

(出典/別冊Lightning Vol.225「VINTAGE AUTO 現存ヴィンテージカー」)

著者:Lightning 編集部