初めてのラウンドとなれば「練習通りにできるかな…」「OB連発しちゃったらどうしよう…」などと不安な気持ちを抱えたままスタートする人も多くいるかもしれません。ラウンドでは自分の力を出し切りたいところですが、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。

前日は練習よりも体調管理を優先に

 ゴルフを始めたばかりのビギナーの中には、必要な道具をそろえたり足しげく練習場に通ったりと、ラウンドデビューに向けて着々と準備を進めている人も多くいるでしょう。

 自分が今持てる力を最大限発揮するためには、ラウンド前日から当日までの過ごし方がとても大切ですが、一体どのようにすればいいのでしょうか。自身が運営するWEBサイト「プロだけが知っているゴルフ上達への道」でゴルフ知識を紹介している、レッスンプロの川端いっせい氏に話を聞きました。

期待と不安が入り交じるラウンドデビュー 写真:AC
期待と不安が入り交じるラウンドデビュー 写真:AC

「ビギナーの中には前日に練習をたくさんする人がいますが、ボールを多く打ちすぎるのは良くありません。疲労がたまって筋肉痛になることもありますし、スイングを崩す原因にもなり得るため、前日は100球程度の練習で十分です」

「また、ラウンド当日を万全な状態で迎えるためにも、『生ものを食べない』『深酒をしない』『早く寝る』といった基本的なことを心がけることも大切です。加えて、ラウンド当日は朝が早いので、荷物の準備は前日に済ませておくことも重要でしょう」

 一方で、翌日のラウンドデビューに備えて早く寝ようとしても「不安や緊張で寝つけないかも…」と思う方も少なからずいるはず。

 このような悩みに対して川端氏は「私は体を少し動かしておいたほうが翌日のコンディションがいいため、疲れない程度に軽くランニングなどをすることもあります」と自身の経験を語ります。

 念願のラウンドデビュー前日となれば練習にも力が入るところですが、張り切りすぎて当日にコンディションが悪化しては意味がありません。練習はほどほどにして、体調管理を優先させることが大切であると言えそうです。

スタート前には必ず練習を

スコアをまとめるためにもスタート前のパッティング練習は欠かせない 写真:AC
スコアをまとめるためにもスタート前のパッティング練習は欠かせない 写真:AC

 川端氏は続けて、ゴルフ場に到着してからスタートまでの過ごし方について、次のように話します。

「ゴルフ場に到着後、スタート前までにやっておくべきことは『ストレッチ』『ショット練習』『グリーンでのパッティング練習』です。ストレッチについては、特に股関節と肩甲骨周辺を念入りに行いましょう。関節の可動域が広がり、スムーズなスイングにもつながるはずです」

「ストレッチが終わった後は練習場に向かいましょう。練習するのは『ドライバー』『フェアウェイウッド』『ミドルアイアン』『ショートアイアン』『ウェッジ』の5本。ショットの感覚や距離感を確かめる意味でも、スタート前に必ず練習しておくことが大切です」

「最後の仕上げとして、15分程度のパッティング練習をしてください。具体的には距離を合わせる目的で10メートルと7メートル、カップインを目的に1メートルを、それぞれ上りと下り合わせて5分程度練習するのが有効です」

 とはいえ、どれだけ念入りな準備をしていても、ほとんどの人は初ラウンドを前に緊張してしまうはず。川端氏はラウンドデビューを控えているゴルファーに対して、次のようなメッセージを送っています。

「ラウンドを通してこれから数多くの失敗と成功を味わうことになるでしょう。初めてのラウンドがどんな結果になろうとも、ゴルフを続けていれば、やがていい思い出になるものです。自身の持てる力をすべて出しきってコースを回れば、次の課題や練習へのモチベーションも高まるので、とにかく全力で楽しんできてください」

 初めてのラウンドでは、自分の力を出しきってゴルフを楽しむ気持ちが大切。実際のコースは練習場と環境が異なるため、自分の思うようにいかない場面にも数多く遭遇するかもしれませんが、ラウンドデビューを最高な思い出にするためにも、前日からスタートまでの意識や行動が重要なカギを握っていると言えそうです。

LUIS FIELD