シミュレーションゴルフの「ラウンドモード」は実際のラウンドに役立つのでしょうか? インドアゴルフレンジKz亀戸店の筒康博ヘッドコーチに話を聞きました。
デビュー前&月イチゴルファーなら「ラウンドモード」練習は効果的
普段行っているショット練習は、ラウンドで快適なゲーム運びができてしっかりスコアメイクするためのものです。
しかし実際は同じ番手ばかり練習したり、ついつい部分的な形(フォーム)ばかり気にしてしまい「練習のための練習」になっている人が多いのも現実。そこで私は、ラウンドデビュー前や月イチゴルファーにはシミュレーションゴルフの「ラウンドモード」を積極的に行ってもらいます。
多くの人は、画面が変わるだけの「ラウンドモード」に懐疑的です。しかも平らな人工マットから打つので「スコアが出るのは当たり前」と思っているはずです。
しかし実際にラウンドしてもらうと、ミスショットの傾向など「コースでよく見る光景」が如実に現れる人が圧倒的多数です。なぜシミュレーションの「ラウンドモード」でも本コースと同じようなミスが起きてしまうのか? 芝やバンカーから打てないのに実戦力がアップするのか? などを詳しくお話しします。
コースの景色が映るだけで「ヘッドアップ」などのミスが顔を出す
ゴルフは「メンタルのスポーツ」ともいわれます。頭でいくら「練習どおりに」と思っても実際のラウンドではうまくいかないのが現実です。
シミュレーションゴルフで行う「ラウンドモード」は、練習時と全く同じ場所で画面が「コース風景」に変わっただけです。
経験の少ない人ほど「練習効果がない」と感じがちですが、実際には画面がコース風景に変わるだけで「真っすぐ飛ばしたい」「曲げたくない」と感じて緊張します。すると、ヘッドアップしたり引っかけたりと「コースと同じミス」がハッキリ現れてしまいます。
スコアだけに目を向けると、芝や傾斜、バンカーなどがない平らな人工マットの上で行う「ラウンドモード」では平均10打前後は少なくなる傾向があります。
ですが「メンタルや所作」に目を向けると、ラウンドデビュー前や月イチの人にはスムーズなプレー進行とメンタルの準備には非常に効果の高い練習になるでしょう。
基本的なルールや自分のプレー時間も「ラウンドモード」で覚えられる
シミュレーションゴルフの「ラウンドモード」練習時には、人工マットで行うバンカーショットでも「コースでは砂にクラブのソールをつけてはダメ」や「OKパットは1打プラス」、「OBしたら1罰打で打ち直し」などビギナーに伝え損いがちな基本的なルールも事前確認ができます。
セルフプレーが主流のラウンドでは、本来ビギナーの面倒を見るべき経験者も自分のプレーに必死で、基本的なルールや所作を教える余裕がありません。その結果、ビギナーは「無知なマナー違反」を知らずに行ってしまう場合があります。
またビギナーも、スイングやスコアメイクで迷惑をかけないように意識している人が多く、マナーや所作も含めた「時間の使い方」を知らないままコースに出ています。
「ラウンドモード」練習時から、「素振りは1回」や「自分の順番が来たら30秒以内に打つ」、「打った後に黄昏れないで」などを実践すれば、普段の練習とラウンドでの違い戸惑わなくなります。
もしみなさんも久しぶりのラウンドで不安があるのなら、事前にシミュレーションゴルフの「ラウンドモード」で練習してみれば「心の準備」もできると思います。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数露出するほか、「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン「FITTING」編集長を務める。
猿場トール