ラウンド前日にゴルフ場付近のホテルに宿泊する「前泊ゴルフ」と呼ばれるプランが存在します。前泊ゴルフとは具体的にどのようなプランなのでしょうか?

渋滞を避け時間が読めるので朝をゆったり過ごせる

 ゴルフのラウンドは早朝からスタートして、日没前に18ホールを回りきるのが一般的です。基本的にはスタートの1時間前までにはゴルフ場に到着しておくことがマナーとされているので、早朝からスタートする場合は5時や6時台に自宅を出発しなければならないこともめずらしくありません。

遠いゴルフ場だと朝5時起きの場合も多くある 写真:AC
遠いゴルフ場だと朝5時起きの場合も多くある 写真:AC

 自宅から1時間程度で到着するゴルフ場であれば問題ありませんが、場合によっては遠方のゴルフ場を選択せざるを得ず、ラウンド前に長距離ドライブを強いられることもあります。そのような場合は「前泊ゴルフ」も選択肢に入ってくるでしょう。前泊ゴルフのメリットについて、レッスンプロの三浦辰施氏は以下のように話します。

「前泊ゴルフでは、普通ラウンド当日に自宅を出てゴルフ場に向かうところを、前日のうちにゴルフ場付近のホテルに宿泊、もしくはゴルフ場内の宿泊施設に宿泊して、当日のラウンドに臨みます」

「たとえば都内から郊外のゴルフ場に向かう場合は、時間帯によっては渋滞につかまって到着時間が読めなくなったり、自宅から距離のあるゴルフ場に行く場合は、未明に家を出なければならなかったりしますが、ゴルフ場付近で前泊しておくことで早朝にゆったりとした時間を過ごせることがメリットです」

前泊しても早起きして朝の時間を有効に使おう

 朝が苦手なゴルファーの場合、寝坊してしまうことを避けるため、念のため前泊するという人もいるようです。では、自宅からゴルフ場までの所要時間がどのくらいから前泊ゴルフのメリットが出てくるのでしょうか。三浦氏は以下のように話します。

「私もそうですが、だいたい自宅から2〜3時間ほどかかるゴルフ場に行く場合は前泊を視野に入れます。それ以下の距離であれば、あえて前泊する必要はないと思います」

「当日、出だしから本調子でラウンドに臨みたいのであれば、自宅から1時間ぐらい運転して目を覚ました状態でゴルフ場に到着したほうが力を発揮しやすいです。前泊してギリギリまで寝ている状態からいきなりプレーするのでは体が起ききりません。前泊するにしてもなるべく早めにゴルフ場に入場して、パターやショット練習をしておくとスコアが出やすくなるでしょう」

 ゴルフ場付近のホテルに前泊する場合は、なるべくゴルフ場から近いホテルを選択する必要があります。もしホテルからゴルフ場まで30分以上もかかってしまうようであれば、前泊するメリットが薄くなってしまう可能性もあります。  ゴルフ場を予約できる大手ポータルサイトでは、プレー料金のなかに宿泊代金が含まれているプランも存在します。

 前泊ゴルフがしたいけどホテルの予約等が面倒だというゴルファーは、このようなプランを選択すると楽です。大都市から遠くなるほどプレー料金は安くなる傾向があるため、宿泊代が上乗せされても近郊ゴルフ場のプレー代とさほど変わらないことも少なくありません。

 ゴルファーのなかには、ゴルフ仲間で前泊をして旅館の温泉を楽しんだり、お酒を嗜んだりして、次の日にラウンドを楽しむ人も多いようです。ほかにも「後泊ゴルフ」といって、ラウンドを楽しんだ日は疲れて帰るのが面倒なので、ゴルフ場付近で一泊して帰る人もいるようです。 

 毎ラウンド、前泊ゴルフや後泊ゴルフを計画するのは難しいかもしれませんが、たまにこのような非日常体験を経験してみるのも面白いのではないでしょうか。

ピーコックブルー