山下美夢有も加わってはいましたが、史上初となる双子姉妹でのプレーオフとなったRKB×三井松島レディス。これを制して今季初優勝を飾った岩井千怜は、今季、初優勝を果たした姉・明愛と同じヨネックス契約で、使用クラブもほとんど同じです。しかし、ドライバーとパターは好みが違っていました。

ドライバーを信頼するがゆえの“直ドラ”や“ワンオン狙い”

 昨シーズン2週連続優勝を達成した岩井千怜が、5月2週のRKB×三井松島レディスで通算3勝目を挙げました。今年は姉の明愛も初優勝を果たしています。

小学生からヨネックスのクラブを使い姉・明愛よりもヘッド体積の小さい「EZONE GT 425」ドライバーを使用する岩井千怜 写真:Getty Images続けている岩井明愛 写真:Getty Images
小学生からヨネックスのクラブを使い姉・明愛よりもヘッド体積の小さい「EZONE GT 425」ドライバーを使用する岩井千怜 写真:Getty Images続けている岩井明愛 写真:Getty Images

 岩井姉妹は同じコーチに習い、練習拠点も同じ。クラブ契約もヨネックスで、使用するクラブもほとんど同じですが、ドライバーはヘッド体積が違います。2人ともヨネックスの「EZONE GT」シリーズを使っていますが、明愛が450ccなのに対して、千怜は最近の選手では珍しいヘッド体積425ccの「EZONE GT 425」を使っています。そして、優勝した試合ではそのドライバーが大活躍したと語っていました。

「(今日一番活躍してくれたクラブは?)やっぱりドライバーじゃないですかね。最後(プレーオフ)のティーショットもそうですし、昨年よりドライバーの飛距離が伸びたことがアドバンテージになったと思います」

 公式データを見ても、昨年の平均飛距離は246.61ヤード(12位)でしたが、今年は255.09ヤード(5位)まで伸びていて、ツアーでもトップクラスの飛ばし屋になっています。ちなみにプレーオフの2打目では直ドラを選択しました。その理由についてはこう明かしています。

「最初はスプーンで打とうと思っていたのですが、明愛がドライバーを握ったので、『そうか、ドライバーもいいかも』と思って、ファンの皆さんを楽しませたい気持ちになったのでドライバーを選びました」

 また、5番パー4(305ヤード)は3番ウッドで刻む選手も多い中、積極的にドライバーで勝負。

「エッジまで250ヤードちょっとだったので、3日間ともドライバーでワンオンのチャンスがあると思って狙っていきました」

 フェアウェイウッド、アイアン、ウェッジは姉の明愛と同じモデル。アイアンは「EZONE CB511」の5番からPWまで入れて、「EZONE FS」の6番アイアンを4番アイアン代わりに使っているところまで同じです。

 ただし、明愛は女子プロには珍しくユーティリティーを入れていないのに対し、千怜は「EZONE FS」の3番ユーティリティーを使用している点が違います。

 また、パターはまったく違うモデルを選んでいます。明愛がテーラーメイドの「スパイダーX」を使っているのに対して、千怜はオデッセイの「ホワイトホット OG ♯1WS」。見た目もスイングもそっくりの岩井姉妹ですが、ドライバーとパターは好みが異なるようです。

2023 岩井千怜の最新セッティング

1W:ヨネックス EZONE GT425(ロフト/9度 シャフト/レクシスカイザL-5S)3W:ヨネックス EZONE GT(ロフト角/15度) ※今シーズン途中より前モデルを使用3U:ヨネックス EZONE FS(ロフト角/19度)6I:ヨネックス EZONE FSアイアン5I-PW:ヨネックス EZONE CB511フォージドアイアンウェッジ:ヨネックス EZONE W501 ノンメッキ(50度、54度、58度)パター:オデッセイ ホワイトホット OG ♯1WSボール:スリクソン Z-STAR XV

2023 岩井明愛の最新セッティング

1W:ヨネックス EZONE GT450(ロフト/9度 シャフト/レクシスカイザM-5S)FW:ヨネックス EZONE GT(ロフト角/3D14.5度、5W18度 シャフト/レクシスカイザM-6S)6I:ヨネックス EZONE FSアイアン(シャフト/レクシスカイザi-8S)5I-PW:ヨネックス EZONE CB511フォージドアイアンウェッジ:ヨネックス EZONE W501 ノンメッキ(50度、54度、58度)パター:テーラーメイド スパイダーX カッパーホワイトボール:スリクソン Z-STAR XV

野中真一