PTA会長が15日付けで非加入世帯の保護者宛てに文書を通達

 埼玉県内のある公立小学校のPTAが、非加入世帯の保護者宛てに送った通達の内容が「横暴すぎる」「差別的」と拡散。炎上を受け、PTAが通達内容を撤回する騒動となっている。通達は発出されてからたった2日しかたってない今月17日に急きょ引っ込められた格好だ。いったい何があったのか、同校に事情を聞いた。

 小中学校において、任意加入の保護者と教職員が児童生徒のためにボランティアで支援活動を行うPTA。結成や加入を義務付ける法的根拠はないものの、実質的には参加が強制となっている地域もあり、保護者からは負担の声が上がっている。

 問題の学校では、PTA会長が15日付けで非加入世帯の保護者宛てに文書を通達。「先日ご提出頂いたPTA非加入届を受け取りまして、拝読し、お気持ちを理解いたしました」「PTA非加入で学校生活を送られることに伴い、PTAが児童に対して実施する活動については、必然的に参加不可となりますのでご了承ください」として、加入しないことでさまざまな不利益があることを示唆している。

 通学班登校については「PTAの常任委員が担当し、PTA会員の児童で編成していますので、非加入世帯の児童は通学班に入れません。また、児童一人登校は認められていませんので、必ず、毎朝登校の付添いをお願いいたします」、進級・卒業の祝品については「PTA会費で購入するため、非加入世帯の児童には渡せません」などと記されており、会費分にあたる金額の寄付の申し出についても「大変申し訳ありませんが、そのような形で受け取ることができません」としている。

 ネット上では「PTAの横暴がすぎる」「非加入の児童に対する差別」「子どもを人質にとった脅迫では」「PTAは不要、解体すべき」と批判の声が多数寄せられている。

 同校の校長は18日、ENCOUNTの取材に「PTAから保護者に文書をお渡ししたこと、通達の内容については確かです」と事実関係を認めた上で、「通達の内容は17日付けですべて撤回しております。児童の不利益にならないようにとの判断。PTAとしても、いろいろと説明が足りていなかった」と説明。「保護者の方にもご理解をいただいております。この度はお騒がせして申し訳ありませんでした」と謝罪している。ENCOUNT編集部/クロスメディアチーム