多くの学校でまもなく新学期が始まりますが、春休みなどが開けて新生活が始まるなか、大人も注意が必要な感染症が「はしか」です。

■福島県立医大・小児科学講座 佐藤晶論准教授

「非常に感染力が強くて、インフルエンザや新型コロナと比較しても非常に感染力が高く、広がりやすいウイルスだと言われている」

「非常に感染力が強い」と注意を呼びかけるのは、福島県立医大の佐藤晶論先生です。

そのウイルスとは、はしかです。

■佐藤晶論 准教授

「はしかは、麻疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる病気なんですけど」

コロナ禍では減少していましたが、国をまたいだ人の行き来が増えたことで、最近国内で感染者が増えています。

「子どもの感染症」というイメージもあるなか、大人も決して侮れません。

■佐藤晶論 准教授

「はしかは子どもと比べて大人がかかると高い熱が出て、せきや鼻水といった症状が子どもと比べて強く出ます」

新学期が始まる今だからこそ感染対策や注意点をおさらいしましょう。まず、どういう症状がでるのかです。

厚生労働省によりますと、感染後、約10日後に発熱やせき、鼻水といった風邪に似た症状があらわれ、2〜3日熱が出た後、39度以上の高熱と発疹があらわれます。子どもの感染症というイメージはありますが大人ももちろん感染します。

特に「はしかのウイルス」は非常に感染力が強く、空気感染もしますのでマスクや手洗いだけでは十分に防ぐことが難しく、ワクチンを注射することが重要です。

そのワクチンは、厚労省によりますと、2000年4月2日以降に生まれた人は定期接種として2回接種の機会がありますが、それ以前の人は自ら進んで接種をしない限りは1回だけで、51歳以上の人だと接種していない可能性があるといいます。

母子手帳や抗体検査で自分の接種歴などを確認することが大切です。ちなみに1回の接種ではだめなのか聞きました。

■福島県立医大 小児科学講座 佐藤晶論准教授

「2回打つ意味としては、1回目のワクチンだけでは免疫ができない人がいるのと、下がってくるので、2回目は、1回目につかなかった人には2回目でつけましょう、1回目で下がってきた抗体を一段と高いレベルにもっていきましょうという意味があって2回打つことになっています」

抗体はワクチン接種後に下がっていくいくため2回接種して高い抗体をつくることが大切ということです。

ワクチンは1歳児と小学校入学前のタイミングで定期接種ができるようになっていて、ある程度の供給量が決まっています。

国も、全く免疫がない子どもに接種してほしいとしていて、ワクチンの販売業者に求めているため、ワクチンの接種年齢になったお子さんは接種を検討してください。

また周囲にはしかの感染者が出た場合や、接触した場合は、大人も子どもも不要な外出を控え、早めに医療機関を受診するようにしてください。

そしてもう一つ気になる感染症があります。劇症型溶血性レンサ球菌です。

喉の痛みや発熱を伴う「溶連菌」の感染によって、まれに発症するもので、数十時間以内に多臓器不全などを引き起こします。

福島県内では2024年に入ってから12人の感染が確認されたほか、「溶連菌」の感染者数も福島県全体としては多い傾向にあります。

主な感染経路は飛まつや接触感染です。

特に新年度は人との接触の機会が増えますから、改めてみなさん基本的な感染症対策の徹底を意識してください。