よく「副業で稼いでも20万円以下なら確定申告しなくてもいい」と聞いたことのある人もいるのではないでしょうか?   しかし場合によっては、確定申告が必要なケースもあります。

副業所得20万円以下は原則不要

副業所得20万円以下の場合、原則、確定申告をする必要はありません。
 
所得は売上から経費を引いた金額です。
 
「売上20万円を超えたから確定申告しないといけない」などと誤解されることがありますが、売上50万円で経費35万円の場合は所得15万円です。このようなケースでは20万円以下なので確定申告する必要はありません。
 

20万円以下でも確定申告が必要なケース

副業所得が20万円以下でも確定申告が必要なケースがあります。
 

本業収入が2000万円を超えている

会社員の給料が2000万円を超える場合は、年末調整の対象にならないため、確定申告をしなければなりません。
 

所得控除を受ける

年末調整の対象とならない所得控除を受ける場合は、個人で確定申告をする必要があります。
 
所得控除の種類は全部で15種類(雑損控除、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除、地震保険料控除、寄附金控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除、配偶者控除、配偶者特別控除、扶養控除、基礎控除)あります。
 
全部受けるケースは少ないと思われますが、特に医療費控除や寄附金控除(ふるさと納税など)、持ち家を買った場合の住宅ローン控除は有名です。
 
医療費控除は本人や生計を一にする配偶者、子ども、両親、その他親族のため、前年中に支払った医療費がある場合は、医療費控除として課税所得から差し引くことができます。
 
計算式は「(実際に支払った医療費の合計額−保険金などで補填される金額)−10万円(総所得金額等が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%の金額)」です。計算結果で出た金額のうち最大200万円までが対象です。
 
自分だけでなく、同居する家族の分も合算して申請できるので無視できない存在です。
 
寄附金控除で有名なのはふるさと納税です。ワンストップ特例制度を使用こしない場合は、確定申告が必要なので注意しましょう。
 
また、持ち家を購入した人は住宅ロこーン控除の対象になっていないか確認しましょう。会社員の場合、2年目以降は年末調整で手続きできますが、1年目は確定申告しなければなりません。忘れやすいので要注意ですね。
 
どの控除を受けられるかは基本的に待っていても教えてくれません。難しそう、めんどうくさいからと放置せず、自分が受けられるものがないか探してみてください。
 

税金の還付対象になっている

会社員は源泉徴収制度によって、あらかじめ所得税や住民税、国民年金や厚生年金、健康保険、雇用保険等が天引きされます。
 
正確な課税所得は1年間が終わると確定します。源泉徴収制度では未確定の状態で払っており、場合によっては払いすぎている可能性もあります。
 
それを調整するのが、文字通り「年末調整」ですが、これを行えるのは1つの企業のみです。そのため、副業でも正社員、パートやアルバイトをしていて給与所得を受け取っている場合は、確定申告をすることで税金が還付される可能性もあります。
 

まとめ

今回は副業収入が20万円以下でも確定申告が必要なケースについて解説しました。
 

●売り上げなどの収入ではなく、諸経費を引いた所得に課税される
●課税所得20万円以下の場合は、原則確定申告は不要
●医療費控除、ふるさと納税、住宅ローン控除などを受けるときは確定申告が必要
●2カ所以上で給与所得を受け取っている場合、確定申告して払いすぎた税金を還付される可能性もある

 
所得が20万円以下でも確定申告をしたほうがお得になることもあるので、ぜひ確認してみてください。
 

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1100 所得控除のあらまし

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1212 一般住宅の新築等をした場合(住宅借入金等特別控除)

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー