「新NISA」は非課税期間の制限がないことや投資枠の拡大など、魅力的な制度ですが、投資である以上、リスクもあります。   この記事では、「新NISA」を有効活用する上での注意点ついて解説します。

新NISAの魅力

昨年2022年12月に閣議決定された「令和5年度税制改革大綱」が注目を集めました。この中で言及された新NISAの改正概要は図表1のとおりです。
 
【図表1】
 

 
出典:金融庁 新しいNISA
 
新NISAには、非課税枠の制限に縛られずに投資を継続できる魅力があります。従来の一般NISAやつみたてNISAでは、非課税期間が5年または20年に制限されていましたが、新NISAでは投資期間に制限がないため、長期的な投資に適しています。
 
また、年間の非課税投資枠も大幅に拡大されます。
 
一般NISAでは年間120万円、つみたてNISAでは年間40万円までが非課税枠でしたが、新NISAでは、成長投資枠が240万円、つみたて投資枠が120万円まで引き上げられます。さらに、これらの枠を併用することで、年間最大で360万円までの投資が非課税となります。
 
ただし、投資に関してはリスクもあり、無理な投資は避けるよう注意が必要です。
 

新NISAの注意点

新NISAには魅力が多数ありますが、注意しなければならない点もあります。制度が始まって実際に投資をしてから後悔しないように、確認しておきましょう。
 

分散投資は長期的には増えるものの、時には減少することもある

分散投資は、投資家にとってリスク管理のための重要な手段です。投資対象を異なる資産クラスに分散させることで、1つの資産クラスの価格変動によるリスクを軽減し、長期的には資産価値を増やせる可能性が高いでしょう。
 
しかし分散投資においても、時には全体的な市場の下落によって、資産価値が減少することもあります。そのため、投資家はマーケットの変動に対する覚悟を持って、長期的な視野で分散投資を行う必要があります。
 

非課税枠を最大限生かすためとはいえ、無理な投資は危険

新NISAは、株式や投資信託などの長期的な投資に対して非課税枠を提供する制度です。しかし、非課税枠を最大限生かすために、無理な投資を行うことは危険です。
 
投資にはリスクがつきものであり、投資家が十分にリスクを理解しないまま過度の投資を行うことは、資産の大幅な減少につながる可能性があります。そのため、投資家は自身のリスク許容度を踏まえた上で、無理のない範囲での投資を心がけることが重要です。
 

まとめ

新NISAは、非課税枠の拡大や非課税期間の制限の緩和など、多くの魅力を持った制度です。しかし、無理な投資によってリスクを抱えることもあります。
 
分散投資を行うことで、長期的な資産形成につなげることができますが、株式などの値動きが激しい投資商品を選ぶ際には、リスクにも注意が必要です。
 
また、自分自身の投資スタイルに合った商品を選ぶことが重要です。新NISAを有効活用するためには、まず自己分析やリスク許容度の確認が必要であり、それに基づいた投資商品選びや投資方針の検討が必要です。
 
無理な投資や過度な期待によって、逆にリスクを増大させてしまわないように注意し、将来の資産形成につなげましょう!
 

出典

金融庁 新しいNISA

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー