ライフスタイルや働き方の変化によって、都会ではなく、地方への移住を検討する人も増えてきました。近年では、移住者に対して、さまざまな補助金制度が設けられています。これらを上手に利用すれば、自分の出費を最小限に抑えることが可能です。   国の支援金のほかに、移住者に対する支援金や住宅の補助などの、地方自治体が独自に設けている支援制度についても、詳しく紹介いたします。

地方移住のための支援や補助金制度とは?

インターネットの普及や、コロナ禍によるテレワークの浸透によって、都心の会社に行かなくても仕事ができる人も増えて、さまざまな働き方を選択できるようになりました。
 
都市部から、自然が豊かで、広々とした地方へ移住をして暮らしたいと、考えている人も増えてきています。
 
地方への移住を推進するための国の政策や、地方自治体独自の支援と補助金制度についてもみていきましょう。
 

国の移住支援とは?

政府は、地方移住を推進するために、首都圏から地方へのUターンや移住を行い、その地域で就労する、もしくは起業する人に対して、支援金支給のサポートをするという地方創生移住支援事業を行っています。
 
支援金支給の対象となるのは、東京23区に通算5年以上、直近1年以上住んでいる、もしくは勤務している人で、東京圏外、もしくは東京圏内の条件不利地域と呼ばれる市町村へ、移住をした人です。
 
支援金は、世帯で移住する場合は100万円以内、単身の場合は60万円以内です。家族に18歳未満の未成年が含まれる場合には、さらに加算があります。
 
支援金は、移住をして勤務の継続や、新たに就業、または起業を行った後、移住先の地方自治体に申請することで受給できます。
 
支援金の金額や条件などは、地方自治体によって異なります。移住したい地方自治体が決定したら、支援金の条件について、あらかじめ確認しておきましょう。
 

地方自治体が独自に設けている移住者向け制度とは?

国の事業のほかにも、地方自治体が、別の地域から移住してきた人たちに対して、就業・生活のための独自の支援金制度や、補助制度を設けているところも多くあります。具体的な制度の例についてみていきましょう。
 

福島県「福島県12市町村移住支援金給付事業」

福島県の田村市、南相馬市などをはじめとする12市町村では、2023年4月より、子育て世帯に、最大200万円の移住支援金を支給する事業を開始しています。単身でも、最大120万円の支援金が支給される制度です。また、アイリスオーヤマの通販サイトの、5万円相当のポイントも進呈されます。
 
この事業は、東京圏以外からの移住者や、福島県出身者も支給の対象となっていることもあり、全国的にみても手厚い内容です。
 
さらに、東京圏から18歳未満の未成年と移住した世帯の場合、最大100万円の子育て加算を受けられます。
 

雄武町 土地の無償譲渡

北海道の雄武町は、オホーツク海に面した、自然豊かな町です。雄武町では、移住者は、町有地を無償で借りられて、決められた期間居住すると、土地を無償で譲り受けられるという、独自の制度が設けられています。
 
無償で譲り受けるためには、契約書を交わした翌年の12月31日までに、住宅を建築して居住すること、10年間は居住すること、といった複数の条件を満たす必要があります。建築する広さや造りなどにも、条件があります。
 
また、住居を建築する費用や、譲渡に関する費用、税金などは自己負担となりますが、自然豊かなエリアで、土地を無料で入手できることは魅力的です。マイホームを建てて、長く住み続けたいと考えている方は、検討してみてはいかがでしょうか。
 

支援制度を活用して地方への移住を検討しよう

都心から地方への移住を検討する場合に、移住にかかる費用面や、住む場所と住居に関する心配があることから、なかなか、一歩を踏み出せない人もいるかもしれません。
 
国や地方自治体が実施している、移住者に対する支援金や補助制度を利用することで、費用や生活の不安を減らすことができます。事前に支援制度をしっかり調べて、納得のいく移住をしましょう。
 

出典

内閣官房・内閣府総合サイト 地方創生 移住支援金
福島県 福島県12市町村移住支援金制度
北海道雄武町 移住者へ無償で土地を差し上げます
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー