人前で収入や預貯金残高など「お金に関する話」をする機会は少ないかもしれませんが、「周りはいくら稼いで、貯金はどのくらいあるのか」気になる人は多いのではないでしょうか。社会人になったばかりの頃はあまり気にならなくても、年齢を重ねて定年退職や老後生活が近づくほど「自分の置かれた状況」は大丈夫なのか心配になることもあるかもしれません。   また、友人や同僚から「貯金1000万円を超えた」などと言われると、自分と比較して焦ることもあるでしょう。本記事では、40代は平均いくら貯金があるのか、どのくらい貯金があれば安心できるのか解説します。

40代の平均貯金残高は約350万円?

「同年代の人はいくら貯金しているのか」については金融広報中央委員会が公表している「家計の金融行動に関する世論調査」で確認できます。2022年調査結果の各種分類別データによると40歳代の預貯金保有額は356万円、預貯金を含む金融資産保有額の平均値は825万円となっています。
 
これだけ見ると「40代は貯金が350万円以上あって、475万円程度は投資や保険に使っているのか」と思われるかもしれませんが、これらはあくまで平均のデータです。
金融資産保有額全体の「中央値は250万円」ですので、平均値とは大きな差があります。金融資産全体に対して預貯金が占める割合が平均値の場合と同じと仮定すると約107万円となります。
 

「年収400万円で貯金は100万円」は少なすぎるのか

中央値で考えると貯金が100万円程度でも少なすぎるわけではありません。ただし、金融資産保有額200万円未満の人が全体の約44%を占めている一方で、1000万円以上の人も20%近く存在します。そのため今回のように「貯金1000万円を超えた」と宣言する人が周りにいたとしても不思議ではありません。
 
手取り収入から貯金に回す割合は、生活環境やライフスタイルなどによって変化するため一概にいえませんが、金融広報中央委員会のデータにおいて40歳代の場合は「10〜15%未満」が21.5%と最も多く「5〜10%未満」が16.7%と続きます。
 
仮に手取り収入が額面の75%とすると年収400万円の場合は300万円です。そのうち10%を貯蓄に回すと年間で30万円貯まる計算です。
もちろん引っ越しや家電製品の買い替え、冠婚葬祭など臨時出費が発生することもあります。それでも現在40歳で貯金が100万円程度の場合は無駄な支出が多くなっている可能性もあるので、家計の見直しもしてみましょう。
 

貯金残高を増やすために収支改善は欠かせない

定期的に家計状況を見直して無駄な支出を減らすことは大切ですが、節約だけでは限界があります。そのため収入を増やすことも検討してみましょう。いまは副業を解禁する企業も増えており、本業とは別で仕事をして稼ぐ人は少なくありません。
 
年収400万円だと月間の手取り金額は約25万円になると思われますが、これに加えて副業収入が月額5万円あり、すべて貯金すると年間で60万円、3年続けると180万円の資産を構築できます。何もしない場合と比べると、短期的にはあまり変わらなくても長期的には大きな差となることが分かります。
 

まとめ

本記事では、40代は平均いくら貯金しているのか解説しました。同年代の多くが貯金100万円程度だったとしても安心せず、自身の生活や将来のために、データとは別で対策することが重要です。無駄な支出を減らした上で、本業や副業での収入アップを目指して、家計基盤の強化を図っていきましょう。
 

出典

金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]令和4年調査結果各種分類別データ
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー