学校で学ぶために借りていた奨学金をパチンコに使い込まれていれば、親として激怒したくなるのも無理はありません。息子の態度に改善の余地がみられないのであれば、貸与を取り消したうえで自主退学させることも仕方ないでしょう。   そこで本記事では、日本学生支援機構で借りている奨学金の取り消し方と、返還方法などを解説します。また、自主退学した場合に支払う必要がある学費の範囲についても紹介します。

そもそも「奨学金」はパチンコに使ってもよいのか?

文部科学省が所管する日本学生支援機構の「貸与奨学金」は、大学の他、短大、高専、専修校(専門課程)、大学院の学費や生活費などに利用できます。何に使うかは奨学生の自由のため、パチンコなどの遊興費に充当することも禁止されてはいません。
 
とはいえ、国からの予算も投じられている日本学生支援機構の奨学金は、基本的に学業に関する費用に使われることを前提に支給されています。そのため、全額を遊興費として消費することは、のぞましい行動とはいいにくいでしょう。
 
なお、日本学生支援機構の「貸与奨学金」は、特別な事情(死亡や心身の障害など)がない限り、本人が必ず返還しなければいけません。では、日本学生支援機構の「貸与奨学金」を途中で取り消すにはどうすればよいのでしょうか。また、その場合の返還方法はどうなっているのでしょうか。
 

「貸与奨学金」の取り消し方と返還方法

日本学生支援機構の「貸与奨学金」を取り消すことを「辞退」といいます。辞退は奨学生がいつでも行えますが、辞退をするためには手続きが必要です。
 
日本学生支援機構の「貸与奨学金」を辞退するためには、まずは通っている学校の奨学金担当者に、辞退したい旨と「最終受領希望年月」を伝えます。辞退したい旨を伝えると、学校から「異動願(届)」が渡されるため、必要事項を記入して提出します。
 
「異動願(届)」を提出すると「貸与奨学金返還確認票」が渡されます。当確認票には、貸与金額、貸与状況、返還条件(目安)などが記載されているため、内容をしっかり確認しましょう。
 
最後に行うのが、口座振替(リレー口座)の手続きです。これが完了すると、貸与終了月の7ヶ月後の27日から返還が開始されます。
 

自主退学の場合、学費はいつまで支払う必要があるのか?

大学を自主退学する場合、退学が学期の途中であったとしても、「退学を願い出た日に係る学期」分の学費は支払う必要があります。大学の学期は、基本的に春学期と秋学期の2学期制で、学費は学期ごとに支払うのが基本です。
 
そのため、学期中に退学する場合も、それぞれの学期分の学費を納付期限までに全額支払わなければいけません。なお、退学の手続きが遅れると、次学期の学費も請求される可能性があります。このような事態を防ぐためにも、退学の手続きは次学期に係る前に行うことが大切です。
 

返還が困難な場合は、「減額返還」や「返還期限猶予」を利用しよう

日本学生支援機構の「貸与奨学金」の貸与は、奨学生がいつでも取り消せます。ただし、当然のことながら、それまでに貸与された奨学金は返還する必要があります。
 
そのため、奨学金の返還を滞納した場合には、延滞金が発生するため注意が必要です。このような事態を避けるためにも、返還が困難な場合は「減額返還」や「返還期限猶予」といった制度を利用しましょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー