国内株式型の資金流入額1位は「日本好配当リバランスオープン」(286.3億円)

 

国内株式型の資金流入額1位は、「日本好配当リバランスオープン」だった。同ファンドはSBI岡三アセットマネジメントが運用する投資信託で、特徴は以下の通りである。

投資対象:日経500種平均株価に採用される銘柄のうち、予想配当利回りが高い順に投資する。

投資方法:組み入れる数は70銘柄程度で、基本的に銘柄ごとの比率には重みをつけず均等に(組入銘柄数が70銘柄なら約1.4%ずつ)投資する。

リバランス:組入銘柄の見直しと各銘柄の組入比率の調整(リバランス)は、原則として、1カ月ごとに行う。

好調なパフォーマンスをだしているが、同ファンドは1月31日に、2月7日を最終受付日とし、新規購入の申込み受付を一時停止することを発表した。新NISAによる資金流入の拡大や投資対象の流動性等から、純資産規模を運用可能な適正範囲に維持するため、申込みを停止したのである。当ファンドの資金流入額は、12月が254億円、1月が286億円で、それぞれ月間資金流入が最も多かった日本株ファンドとなった。

■日本好配当リバランスオープン
基準価額 1万2608円
信託報酬 0.913%(年率・税込)
純資産残高 1906.8億円
<騰落率>
1カ月 4.13%
3カ月 8.04%
6カ月 14.81%
1年  37.50%

※2月7日時点

国内株式型の純資産残高1位は「ひふみプラス」(5473.85億円)

 

国内株式型の純資産残高1位は、「ひふみプラス」だった。同ファンドは、レオス・キャピタルワークスが運用する投資信託で、その特徴は以下の通りである。

投資対象:主に国内の上場株式が投資対象。

投資方法:市場価値が割安と考えられる銘柄を選別し、長期的に投資。

運用開始:2012年から運用が開始され、成長企業の目利き力と柔軟な運用姿勢、また顔が見える運用が評価されている。

同ファンドは国内株式型ファンドの純資産残高で1位を維持しているが、1月には104.88億円の資金が流出した。また、1月末時点での1年騰落率は25.81%であり、TOPIXの32.42%を下回っている。2024年から始まった新NISAでは、海外株式のインデックスファンドに資金が流入している。そのため、国内株式のアクティブファンドは売られやすい傾向がある点には注意が必要である。

■ひふみプラス
基準価額 5万7179円
信託報酬 1.078%(年率・税込)
純資産残高 5473.85億円

<騰落率>
1カ月 7.04%
3カ月 12.61%
6カ月 8.92%
1年  25.81%

※1月末時点

国内株式型のリターン1位は「日本株発掘ファンド 米ドル型」(14.23%)

 

国内株式型のリターン1位は「日本株発掘ファンド 米ドル型」だった。同ファンドは、市場価値が割安と考えられる日本の金融商品取引所に上場している銘柄を選別して長期投資するアクティブファンドである。1月の同ファンドの基準価額は大きく上昇した。プラス寄与度が大きかった主な銘柄はゲーム関連株、産業用エレクトロニクス株、重機械工業株であった。ゲーム関連株は第3四半期業績への期待感などから上昇。産業用エレクトロニクス株は高い業績安定度が評価され、堅調に推移した。また、重機械工業株は為替の円安基調が株価の追い風となった。同ファンドは米ドル建てなので、1月末時点における1年騰落率は52.5%と好調であるが、2025年1月21日に満期償還となる。投資信託の満期償還とは、投資信託の運用期間が終了し、その時点での保有者に対して、保有口数に応じた償還金が返還されることである。具体的には、「償還価額(償還日の基準価額)×投資信託保有者の保有口数(償還日時点)」で算出される金額が償還金となる。よって、長期投資できない点には注意が必要である。

■日本株発掘ファンド 米ドル型
基準価額 1万3065円
信託報酬 1.595%(年率・税込)
純資産残高 9.01億円

<騰落率>
1カ月 14.2%
3カ月 10.8%
6カ月 18.7%
1年  52.5%

※1月末時点

外国株式型の資金流入額1位は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(3439.23億円)

 

新NISA開始から約1ヶ月が経過し、その制度を利用する投資家たちがどの商品を選好しているかの傾向が見えてきた。新NISAの対象となる投資信託の動向を観察すると、2024年1月には、「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」への投資が顕著で、資金流入額が約3439億円に達している。次いで、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」への投資が約2090億円だった。そして、3位の「インベスコ世界厳選株式オープン(為替ヘッジなし・毎月決算型)」は約514億円だった。これらの結果から、「eMAXIS Slim」シリーズの「全世界株式(オール・カントリー)」と「S&P500」が他の商品を大きく上回る投資を集めたことが明らかである。パフォーマンスも好調なので、2月以降も同ファンドに高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

■eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
基準価額 2万2062円
信託報酬 0.05775%(年率・税込)
純資産残高 2兆2768.6億円

<騰落率>
1カ月   5.6%
3カ月 15.1%
6カ月 10.3%
1年     32.1%

※1月末時点

外国株式型の純資産残高1位は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」(3兆4313.76億円)

 

1月は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」にも高水準の資金流入が続き、純資産残高は3兆円を大きく上回っている。「つみたてNISA」が2018年1月に導入されたのに伴い、「長期・分散・積立」の投資が資産形成の最良の手段という認識が広まったが、それに伴い各投資信託シリーズ間で運用コスト(信託報酬率)を下げる競争が激化した。その競争の中で、「eMAXIS Slim」シリーズは業界最低水準を目指し、競合他社が信託報酬率を下げるたびに、同社もそれに応じて信託報酬率を下げ続けた。その結果、現在では「eMAXIS Slim」シリーズは他のシリーズを圧倒する存在感を示している。同ファンドの純資産残高は、2位の「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」と1兆円以上の差となっており、しばらく1位の座をキープする可能性は高いだろう。

■eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
基準価額 2万6026円
信託報酬 0.09372%(年率・税込)
純資産残高 3兆4313.76億円

<騰落率>
1カ月   7.2%
3カ月 17.0%
6カ月 13.2%
1年     40.5%

※1月末時点

外国株式型のリターン1位は「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」(12.20%)

 

外国株式型のリターン1位は「次世代通信関連世界株式戦略ファンド」だった。同ファンドの設定日は2017年12月15日で、三井住友トラスト・アセットマネジメントが運用を行う。主に日本を含む世界各国の金融商品取引所等に上場している次世代通信関連企業の株式に投資し、投資信託財産の中長期的な成長を目指す。同ファンドの組入銘柄トップはエヌビディア(2023年12月末時点)であり、同社の株価上昇がリターンに寄与した。

■次世代通信関連 世界株式戦略ファンド
基準価額 1万8851円
信託報酬 1.848%(年率・税込)
純資産残高 3997.43億円

<騰落率>
1カ月 1.84%
3カ月 12.17%
6カ月 12.44%
1年  45.93%

※12月末時点