大手証券ではインド株ファンドが人気

大和証券では「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」がランキング1位、みずほ証券では「新光ピュア・インド株式ファンド」がランキング1位となっている。

「ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド」はインドの株式市場に投資を行い、信託財産の成長を中長期的な視点で追求する。投資対象は、インド経済の発展に寄与する企業や、人口増加や所得向上による消費拡大に関連する企業など、ボトムアップのアプローチで選ばれ、為替変動のリスクを避けるための為替ヘッジは、基本的には行わない。

「新光ピュア・インド株式ファンド」は、アセットマネジメントOneが運用する投資信託で、主にインドの企業が発行する株式等に投資を行い、投資信託財産の中長期的な成長を目指す。

インドの株式市場は、個人投資家の急増と企業の好業績が後押しとなり、活気に満ちている。世界で最も人口が多い国となったインドは、中国の代替として自国を位置づけている。政治の安定と主要国の中で最も急速に成長する消費主導型経済のおかげで、世界中の投資家や企業から新たな資金を引きつけているのだ。

また、2024年1月に開始され、日本株への資金流入が期待された新しい少額投資非課税制度(新NISA)であるが、結果として恩恵を受けたのはインド株であった。人口大国の双璧を成す中国経済は低迷が続き、国内の投資家の間では、中国に代わる高成長国としての投資先としてインドへの資金移動が加速している。新NISAの開始以降も、日本の投資家から引き続き人気を集めているのは米国株投信やグローバル株式投信だが、インドはそれに次ぐ存在になりつつあるのである。

パフォーマンスも好調なので、3月以降もインド株ファンドが大手証券のランキング上位に入る可能性は高いだろう。

■ダイワ・ダイナミック・インド株ファンド
基準価額 1万563円
信託報酬 1.848%(年率・税込)
純資産残高 1659億円

<騰落率>
1カ月 3.0%
3カ月 11.0%
6カ月 14.1%
1年  38.8%

※1月末時点

ランキング上位には半導体関連株ファンドも

大手証券では、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」や、「半導体関連 世界株式戦略ファンド」など、半導体関連株ファンドの人気も高い。

ただ、半導体関連株は、株価のボラティリティ(変動率)が高い点には注意が必要である。現在の半導体関連株の中核銘柄はエヌビディアであるが、2022年以降の騰落率は、以下の通りである。

■エヌビディアの騰落率

2022年  −50.3%
2023年  238.9%
2024年  84.15%(3月6日時点)

2024年1月末時点におけるエヌビディアの組入れ比率は、「半導体関連 世界株式戦略ファンド」では3.85%であるが、「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」の組入比率は28.7%もある。

世界中の株式市場を動かすほどにエヌビディアの存在感は増しているが、半導体関連株ファンドのへの影響はより大きい。半導体の製造や販売、流通などを手掛ける30銘柄で構成されるSOX指数も2022年には−35.8%、2023年は+64.9%となっており、半導体関連株ファンドも年率50%程度の変動はあるハイリスク・ハイリターンのファンドであるという認識が大切である。

「新光日本インカム株式ファンド(3カ月決算型)」がみずほ証券の5位にランクイン

「新光日本インカム株式ファンド(3カ月決算型)」がみずほ証券の5位にランクインしている。同ファンドは、予想配当利回りが高いと判断される株式とREITに分散投資するアクティブファンドである。組入れ上位銘柄は、伊藤忠商事、東京海上ホールディングス、日本電信電話、豊田通商などである。組入れ銘柄数は47銘柄で、予想配当利回りは3.10%となっている(2024年1月末時点)。

日本株では、高配当株ファンドの人気が高い。1月31日、SBI岡三アセットマネジメントが運用する「日本好配当リバランスオープン」は、2月7日を最終受付日とし、新規購入の申込み受付を一時停止することを発表した。新NISAによる資金流入の拡大や投資対象の流動性などの観点から、同ファンドの純資産規模を運用可能な適正範囲に維持するためである。

1月の日本株の資金流入額上位5本のうち4本が配当に着目したファンドであり、高配当株が新NISAでの人気を裏付けることとなった。3月も高配当株ファンドに高水準の資金流入が続く可能性は高いだろう。

■新光日本インカム株式ファンド(3カ月決算型)
基準価額 1万9370円
信託報酬 1.1%(年率・税込)
純資産残高 585.57億円

<騰落率>
1カ月 8.8%
3カ月 12.5%
6カ月 12.8%
1年  39.6%

※1月末時点