2024年5月19日 中華人民共和国・上海にて2024オリンピック最終予選大会「オリンピック予選シリーズ (OQS)」のスポーツクライミング、ボルダー&リード種目の決勝が行われた。男子は韓国のリ・ドヒュン、女子はアメリカのブルック・ラバトゥが今大会の優勝を果たした。

日本からは森秋彩がすでにパリ五輪への出場が決まっており、本シリーズでは残された女子の1枠を懸け争われる。一方男子は楢崎智亜と安楽宙斗で日本の最大出場人数の2枠を満たしているため、本シリーズには出場しなかった。

伊藤ふたば選手
Photo: OIS/Kieran Cleeves. Handout image supplied by OIS/IOC

女子は東京オリンピックにてスポーツクライミング複合競技で総合2位となった野中生萌が予選を1位通過、念願のオリンピック出場に燃える伊藤ふたばも4位通過と好調の滑り出しを果たす。続く準決勝では野中生萌が3位、伊藤ふたばが5位をマークし、ボルダーを得意とする日本人2名が決勝進出を果たした。

写真左からソ、ブルック、エリン
Photo: OIS/Dan Law. Handout image supplied by OIS/IOC

女子決勝ではボルダーで1つ目の課題を8人全員が登り切るハイレベルなスタートを見せた。しかし2つ目の課題では最初のゾーン以降になかなか進むことができなかった。そんな中アメリカのブルック・ラバトゥが見事登り切り、課題を単独で完登した。

勢いに乗ったブルック・ラバトゥは83.82ポイントを獲得し、他の選手から大きな差をつけ独走状態でボルダーラウンドを終える。ボルダーラウンド時点で野中生萌は59.62ポイント、伊藤ふたばは59.42ポイントとなった。

リードでは伊藤ふたばは57.1ポイント。野中生萌はリードで同率2位の68.1ポイントを手にした。ブルック・ラバトゥは伊藤ふたばと同じ高さで落下するも、ボルダーによるポイントで逃げ切り、合計140.9ポイントで1位となった。

2位はリードで80.1ポイントの最高順位となり、134.3ポイントとしたソ・チェヒョン(韓国)。3位はエリン・マクニース(イギリス)となった。野中生萌は127.7ポイントで4位、伊藤は116.5ポイントで5位に終わった。

男子決勝では韓国のイ・ドヒョン、スペインのアルベルト・ヒネス・ロペスの2名がリードで完登を果たしたが、ボルダーのポイントの差により134.5ポイントを獲得したイ・ドヒョンが1位に輝いた。

2位となったのは124.5ポイントを獲得したルベルト・ヒネス・ロペス。3位は124.1ポイントを獲得したチェコ共和国のアダム・オンドラとなった。

写真左からアルベルト、イ、アダム
Photo:OIS/Bob Martin. Handout image supplied by OIS/IOC

スポーツクライミングにおいて、東京オリンピック2020では各選手は3つのフォーマットを競い合い、各順位の積が得点となり最終順位が決められた。パリ2024では競技形式が変更され、スピード種目とボルダー&リード複合種目の2種目で競われる。

オリンピック予選シリーズ(OQS)において、国際スポーツクライミング連盟(IFSC)によると、ボルダー&リードの複合種目では男女各10名出場枠を獲得できる。

運命のパリ五輪出場枠を懸けた第2戦は6月20日〜23日に行われるブダペストにて開催される。ボルダー&リードの複合種目、日本人女子の1枠を懸けたパリ五輪出場枠争いに今後も注目が集まる。

決勝結果

【女子】
1位 ブルック・ラバトゥ(アメリカ合衆国)ボルダー83.82/リード57.1/合計140.9
2位 ソ・チェヒョン(大韓民国)ボルダー54.22/リード80.1/合計134.3
3位 エリン・マクニース(イギリス)ボルダー59.72/リード68.1/合計127.8
4位 野中生萌(日本)ボルダー59.62/リード68.1/合計127.7
5位 伊藤ふたば(日本)ボルダー59.42/リード57.1/合計116.5
6位 ライェウヘニア・カズベコワ(ウクライナ)ボルダー59.142/リード8.1/合計107.2
7位 ク・チリョ(中華人民共和国)ボルダー59.72/リード39.1/合計98.8
8位 ゼラ・アベズー(フランス) ボルダー39.42/リード57.1/合計96.5

【男子】
1位 リ・ドヒュン(大韓民国)ボルダー34.5/リード100.0/合計134.5
2位 アルベルト・ヒネス・ロペス(スペイン)ボルダー24.5/リード100.0/合計124.5
3位 アダム・オンドラ(チェコ共和国)ボルダー64.0/リード60.1/合計124.1
4位 ポール・ジェンフ(フランス)ボルダー49.1/リード64.0/合計113.1
5位 サッシャ・レーマン(スイス)ボルダー14.3/リード96.1/合計110.4
6位 ハネス・ハン・デュイセン(ベルギー)ボルダー34.5/リード60.1/合計94.6
7位 ハミッシュ・マッカーサー(イギリス)ボルダー48.8/リード45.1/合計93.9
8位 サム・アベズー(フランス)ボルダー9.8/リード0.0/合計9.8

また、オリンピック予選シリーズ (OQS) 上海大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、味の素株式会社「ビクトリープロジェクト」が日本チーム独自に帯同・サポートしている。本プロジェクト内容については下記の通りだ。

各競技で協力してTEAM JAPANのサポートを実施

またオリンピック予選シリーズ (OQS) 上海大会では日本人選手たちが最高のコンディションで試合に臨めるように、味の素株式会社「ビクトリープロジェクト」が帯同・サポートしている。本プロジェクト内容については下記の通りだ。

ビクトリープロジェクトは、2003年から味の素株式会社と日本オリンピック委員会(JOC)が共同で実施している選手のコンディショニングサポートプロジェクト。選手の目指す姿や目標に合わせた栄養サポートを提供し、パフォーマンスの最大化と意識改革に貢献している。

特に大会期間中は、「補食」を通じて選手のコンディショニングをサポート。具体的には、エネルギー補給を目的とした「パワーボール」と、カラダのコンディションを維持するためのアミノ酸サプリメント「アミノバイタル」を提供している。

今回のオリンピック予選シリーズ(OQS)では、クライミングだけでなくブレイキン、BMX、スケートボードチームにも「パワーボール」と「アミノバイタル」を提供し、全ての競技で選手が最高のコンディションで試合に臨めるよう支援した。
選手一人一人のコンディションを詳細に把握し、適切な栄養プランを提案することで、長期間にわたり安定したパフォーマンスを維持できるようサポートしている。

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