ギグワークス<2375>は12日、2024年10月期第1四半期(23年11月-24年1月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比4.4%減の64.08億円、営業利益が1.01億円(前年同期は0.07億円の利益)、経常利益が0.99億円(同0.07億円の利益)、親会社株主に帰属する四半期純利益が同30.5%増の0.30億円となった。



オンデマンドエコノミー事業の売上高は前年同期比11.2%減の26.73億円、セグメント利益は同22.6%減の1.53億円となった。同社グループには、「雇用関係だけによらない働き方」・「多様かつ柔軟な働き方(副業・在宅等)」を希望する個人事業主、フリーランスが数多く登録しており、当第1四半期には3,030人のユニークワーカーが日本全国で稼働した。フィールドサービスは、IT機器のキッティング業務や設定設置業務は低調に推移したが、調査業務など安定収益が見込める非IT領域での需要を取り込み、売上は減少したものの利益は前年と同水準を維持した。通信インフラの基地局工事を行うコンストラクションは、EV充電器関連への新たな取り組みを開始しており、現地調査業務を中心に稼働が始まっている。また、自社のコンタクトセンターは、「東京・大阪・福岡」を中心に7拠点体制で運営している。テレワークを併用した働き方の定着、企業のDXによる業務効率向上への動き、インボイス制度への対応などを背景に高い水準で稼働しており、テクニカルサポート・通販関連の受注拡大が進んでおり、減収ながら利益面では前年並みに推移した。一方で、WEB3領域のSnap to Earnアプリ写真を撮って稼ぐ「SNPIT」は、次のステップに向けて事業投資を実施したため、昨対比セグメント利益を押し下げる要因となった。



デジタルマーケティング事業の売上高は同5.9%減の16.24億円、セグメント利益は0.21億円(前年同期は0.24億円の損失)となった。日本直販・悠遊生活ブランドでの総合通販を主体としたサービスの提供を行っており、45年以上続く総合通信販売の実績を基盤に創業来1,485万人を超える顧客に利用されている。ギグワーカーのフィールドサービス力とコンタクトセンターのコミュニケーション力を活用した「駆けつけサービス」や「デリバリーサービス」など顧客一人ひとりに合った最適な「お手伝いサービス」を商品化し、販売してきた。収益強化のため、シニア層の消費ニーズに合わせたマーケティング戦略を再考することにより広告効果の最大化を図った。さらに、供給チェーンの効率化を目指し2ブランドの仕入共通化や人員体制の見直しを図るなどコスト削減を進めてきた。積極的な収益構造の改善により物販における赤字は減少し、物販の大口取引もあった為、セグメント黒字となった。当四半期において、プレミアム会員制度をスタートした。会員受付開始から計画を上回る会員増加をしており好評となっている。



システムソリューション事業の売上高は同4.7%増の11.36億円、セグメント利益は同39.3%増の2.20億円となった。自社開発商品のCRMシステム「デコールCC.CRM3」は、AIを活用したツール開発や機能追加による製品ラインナップの強化などにより、受注は増加している。また、受託開発業務やシステムエンジニアリングサービスは、ギグワーカーを含むビジネスパートナーとの連携を強化することで売上高が増加し、エンジニア人件費の高騰に伴う顧客との契約単金やコスト見直しの影響もあって大幅な増益となった。



シェアリングエコノミー事業の売上高は同24.8%増の12.30億円、セグメント利益は0.93億円(同0.55億円の損失)となった。運営するシェアオフィスは、首都圏を中心に直営店86拠点(2024年1月末)、様々な利用提携先の施設を含めると国内最大級となる700拠点以上のオフィスネットワークを展開している。シェアオフィスの利用会員数は16,600会員に達し、「必要な時に必要なだけ使える」をテーマに、利用者に対して低コストで高品質な働く場を提供している。シェアオフィス(専用オフィス、共用オフィス)にマルチロケーションで利用できるサテライトオフィスのサービスを選択できるなど、利便性の更なる向上に努めてきた。このような中、当期においては、シェアオフィス直営店の出店をせず、既存店の稼働上昇を優先した利益成長重視の運営を進めている。ギグワーカーのスタイリストが活躍するシェアサロンブランド「nex」は、南青山で4店舗を展開しており、業績は堅調に推移している。



2024年10月期通期の連結業績予想について、売上高が前期比7.7%減の244.00億円、営業利益が同84.6%増の2.05億円、経常利益が同79.8%増の2.00億円、親会社株主に帰属する当期純利益が0.85億円とする期初計画を据え置いている。