■今後の見通し



1. 2024年12月期連結業績予想の概要

フルサト・マルカホールディングス<7128>の2024年12月期の連結業績予想は、売上高が前期比0.6%増の174,000百万円、営業利益が同3.6%減の5,500百万円、経常利益が同5.3%減の6,300百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同10.6%減の4,200百万円、不透明感やコスト増加を考慮して減益予想としている。なお半期別に見ると、上期は売上高83,500百万円、営業利益2,300百万円、経常利益2,700百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,800百万円、下期は売上高90,500百万円、営業利益3,200百万円、経常利益3,600百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,400百万円で下期偏重の予想としている。上期は期首の受注残高が減少しているなどの不透明感を考慮して同1.9%減収、同27.8%営業減益だが、下期は緩やかな需要回復を想定して同3.1%増収、同27.0%営業増益の見込みとしている。コスト面では人件費の増加に加え、新物流センター稼働(フルサト工業大阪配送センターとジーネット大流センターの老朽化に伴いUNISOL L.C. OSAKAを新設)やシステム投資により、減価償却費など販管費が増加することも想定している。会社予想は全体として保守的な印象が強く、上振れ余地があるだろうと弊社では考えている。



2. セグメント別の動向

機械・工具の計画は、売上高が前期比0.7%減の116,300百万円(上期が同5.4%減の55,200百万円、下期が同3.9%増の61,100百万円)で、営業利益が同15.7%減の3,170百万円(上期が同46.8%減の1,190百万円、下期が同30.1%増の1,980百万円)としている。自動車関連が堅調で、半導体関連も第2四半期以降に増産の期待が高まるが、全体として設備投資動向に不透明感が強いため保守的な計画としている。



建設資材の計画は、売上高が前期比1.9%増の46,100百万円(上期が同2.6%増の22,700百万円、下期が同1.3%増の23,400百万円)で、営業利益が同5.7%増の2,100百万円(上期が同0.7%減の1,000百万円、下期が同12.4%増の1,100百万円としている。不透明感の強い状況が続くが、前期比では下期からの生産稼働率上昇などにより増益を見込んでいる。



建設機械の計画は、売上高が前期比9.1%増の8,300百万円(上期が同23.2%増の4,000百万円、下期が同1.3%減の4,300百万円)で、営業利益が同58.8%増の130百万円(上期が60百万円、下期が70百万円)としている。2024年問題を背景とする人件費増加懸念などで顧客の建機投資に不透明感があるが、前期比では日野自動車エンジン問題の一巡などにより増収増益を見込んでいる。



IoTソリューションの計画は、売上高が前期比9.8%増の3,300百万円(上期が同10.0%増の1,600百万円、下期が同9.7%増の1,700百万円)で、営業利益が同161.9%増の100百万円(上期が50百万円、下期が50百万円)としている。機械・工具のグループ会社との協業による高付加価値ソリューションビジネスを推進し、コスト管理も強化して増収増益を見込んでいる。



(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)