CAICA DIGITAL<2315>は15日、2024年10月期第1四半期(23年11月-24年1月)連結決算を発表した。売上高が前年同期比14.1%増の13.54億円、営業損失が0.77億円(前年同期は7.28億円の損失)、経常損失が1.21億円(同7.41億円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失が2.28億円(同7.43億円の損失)となった。



ITサービス事業の売上高は前年同期比12.9%増の14.31億円、営業利益は同288.2%増の1.61億円となった。システム開発を担うCAICAテクノロジーズは売上高、営業利益ともに前年同期を上回って推移している。金融機関向けのシステム開発分野は、総じて好調であるが、とりわけ、一次請けである保険会社向け案件の売上高が拡大しており、銀行向け案件においても、一次ベンダからのメガバンク案件を中心に売上が拡大している。また、消費税インボイス制度対応の案件が増加したことで売上高に寄与した。非金融向けシステム開発分野は、顧客の事業拡大意欲が強く、IT投資も依然継続されており、大手SIer等の既存顧客からの受注が好調に推移した。また、DXコンサルティングによるSI事業サービスとスクラム体制によるシステム開発への引き合いが増加している。DXコンサルティングによるSI事業サービスにおいては、2024年1月に米国のPegasystems Inc.とパートナーシップ契約を締結した。本契約は、AIを活用した「Pega Platform」で顧客のDXソリューションサービスを強化し、同社及びCAICAテクノロジーズのビジネス課題を解決するコンサルティングとを組み合わせることで、顧客のコアビジネスに直接効果のあるソリューションを提供するものとなっている。フィンテック関連のシステム開発分野は、決済系の案件を中心に安定的に受注を獲得した。



金融サービス事業の売上高は△0.75億円(前年同期は△0.82億円)、営業損失は1.43億円(同6.71億円の損失)となった。当第1四半期における売上高は、カイカコインを売却したことによる売上高のプラス計上があった一方で子会社で保有するカイカコインの暗号資産評価損を売上高にマイナス計上している。カイカフィナンシャルホールディングスが運営する審査制NFTローンチパッド「Zaif INO」(一次販売)の売上高は、NFTの販売高に応じた販売手数料を収益源としている。当第1四半期から高収益である自社オリジナルのNFT販売や、ゲーム領域以外のイラストレーターによるNFTの販売を開始した。又、クレジットカードやカイカコインでの決済にも対応が可能となったことに加え、カードをかざすだけで購入したNFTの確認ができるNFTカード形式での販売を実施し、ユーティリティーの向上を図っている。しかし、NFT販売市場の冷え込みもあり、NFT販売は軟調に推移している。



2024年10月期通期の連結業績予想については、売上高が前期比16.5%増の63.02億円、営業利益は1.69億円、経常利益は1.62億円、親会社株主に帰属する当期純利益は1.37億円とする期初計画を据え置いている。