繊維強化プラスチック製の硬翼帆(こうよくほ)を搭載した石炭輸送船「松風丸(しょうふうまる)」が福島県新地町の相馬港に初めて入港し、17日、関係団体に公開された。

 松風丸は、商船三井の依頼を受けた大島造船所が建造した東北電力の専用船。全長235メートル、幅43メートルで積載量は最大約10万トン。先端に取り付けられた幅15メートルの硬翼帆は、天候や運航状況によって高さ23メートルから53メートルに伸縮できる。燃料消費の削減に貢献し、温室効果ガスの排出を従来の輸送船に比べ5〜8%抑えられる。

 県内への入港は南相馬市の原町港以来2港目。豪州ニューキャッスルから石炭約8万7千トンを積み、9日に入港した。17日は関係者が商船三井、相馬共同火力発電の担当者から説明を受けた後、帆が伸縮する様子を見学した。

 松風丸は今後も相馬港などで運航する予定。

(相双版)