「Atsuto Uchida‘s FOOTBALL TIME」で山本理仁がゲスト出演

 U-23日本代表は3月23日にU-23マリ代表(1-3)と、25日にはU-23ウクライナ代表(2-0)と国際親善試合を行った。この3月シリーズのU-23日本代表に選出されていたMF山本理仁(シント=トロイデン)が、スポーツチャンネル「DAZN」の番組「Atsuto Uchida‘s FOOTBALL TIME」に出演してU-23日本代表について説明した。

 今回の3月シリーズは、4月に行われるパリ五輪予選を兼ねたU-23アジアカップ前、最後のテストマッチだった。すでにパリ五輪出場を決めているマリとウクライナに1勝1敗だった日本だが、マリ戦にフル出場した山本は、「前からの守備はチームとしてストロングなので、それはマリ戦の最初の15分とウクライナ戦は通用したのかなと思います」と、2試合を振り返った。

 2023年11月に行われたU-22アルゼンチン代表戦(5-2)を解説していたという元日本代表DF内田篤人氏も、大岩ジャパンの前からのプレスを高く評価した。「本当に良かった。前からの守備は、すごく上手だなと思っていて。昨日(ウクライナ戦)もちょっと見たけど、チーム全体としてスタート位置もそうだし、前からの追い方、後ろの強度も良い。ちゃんとされているなと思いました」と、コメントしている。

 内田氏に「一発目(マリ戦)に負けて、チームの雰囲気はどうだったの?」と聞かれると、山本は「めっちゃ落ちたわけではない。でもやっぱり『2戦目は絶対に勝たないと』という雰囲気になっていた」と明かした。そして、マリ戦にフル出場した山本は、マリの印象について「すごくやりづらかったですね。結構、今までやったなかでも強度が高かったですし、運べる選手がいたので、すごくやりづらかったです」と、すでにパリ五輪出場を決めているチームとの試合が難しかったと振り返った。

 東京五輪でも成しえなかったメダル獲得が期待される大岩ジャパンだが、山本はアンカーが1枚の4-3-3が基本フォーメーションだと説明し「僕は右のインサイドハーフで、役割は降りてくるタイプ。こっち(左のインサイドハーフ)が10番タイプ」と説明して「僕はフィジカルで勝負をするタイプではないので、まずは準備のところで優位に立ちたい。どこに立てば自分が一番良いプレーができて、どこに動けば相手がどこに動いてどこが空くかを考えながらやっています」と、自身がプレーする際に意識していることも説明した。

 内田氏に「守備の時、たまに4-4-2になったりしていない?」と聞かれると、山本は「ベースは4-4-2ですね。ゴールキックだったら、基本はもうハメにいく。あとはサイドバックが出た時に、ガッと真ん中を締めながら出てからゴーみたいな感じです」と説明し、マリ戦でプレスがハマらなかった理由に「マリ戦でやっぱり難しかったのが、途中からアンカーが降りたんです。3バック気味になられて、そこからハマらなくなった。それは僕らが変えなければいけなかったのかな」と、分析した。

 これを聞いた内田氏は、センターバック2枚に加え、アンカーが降りて最終ラインが3枚になり、2トップでプレスをかけにいってもハマらない時の対処法を2つ挙げた。一つが日本も4-3-3の形になり、3トップにして最終ラインで数的優位を作らせないこと。もう一つは、守備ラインを低く設定して最終ラインでボールを回させて、カウンターを狙いにいく方法だった。2つのやり方を説明した後に、内田氏は「これは監督が決めることなので、これをやっておけばいいですというのは、ないです。別に4-4-2で守れる時もあるから」と、付け加えた。

 そのうえで内田氏は「でも、今のうちにね、そうやってボランチが一枚降りたら、ハマらなくなっちゃったな。じゃあ、どうしようかなというのを、本番じゃなくて、ここの段階でできたのは、選手もそうだし、チームとしても(良かった)。解決策はあると思うので、それをチームで落とし込むかの問題だと思います」と、本大会前に課題が出たことを歓迎した。

内田氏がプレッシャーをかける場面も「出られなかったら大変だぞ」

 パリ五輪で対戦したい相手を問われた山本は、「僕はスペインとやりたいですね。めちゃくちゃチンチンにされていたので。2、3回やっているんですけど、どのカテゴリーでもチンチンにされているので、ちょっと勝ちたいですね」と言い、日本とスペインの違いについては「個人戦術のレベルが違うと思います。やりたいことが、全員分かっている。小さい頃から同じことをやってきているから」と、分析している。

 パリ五輪の出場権をかけたU-23アジアカップは、4月16日に開幕する。内田氏は「大変ですよ。オリンピックに出られなかったら」とプレッシャーをかけると、山本は「本当に大変です。そのプレッシャーはもう感じています」と苦笑した。内田氏は「この世代は選手が完成されていない。コンディションもバラバラ。海外組で呼べる選手はいいけど、呼べない選手もいっぱいいる。チーム作りは大変」とフォローしたと見せかけて、「でも、出られなかったら大変だぞー。パリの五輪にサッカーが出られないってなったら大変」と再びプレッシャーをかけた。大先輩からの圧に、山本はただただ笑うしかなかった。

FOOTBALL ZONE編集部