ケルンのレヤェック社長「日本とのつながりを、今後もより深めていきたい」

 ドイツ1部ケルンのマルクス・レヤェック社長が来日し、4月10日に都内で記者会見に応じた。ドイツ1部のブンデスリーガは1963年に設立され、1948年に設立されたケルンはその初代王者である。Jリーグよりも30年前にリーグが開幕していたが、レヤェック社長は「プロフェッショナルな部分を学びたい」と意向を明かしている。

 ケルンは元日本代表FW奥寺康彦氏が在籍していた1977-78シーズンにドイツカップとブンデスリーガの2冠を達成した。レヤェック社長は「日本人選手として初めて欧州で活躍した奥寺氏が、初めて移籍した欧州のクラブがケルンです。そこから日本との関係ができました。奥寺氏のおかげで1977-78シーズンは2冠を達成し、クラブの歴史上もっとも成功したシーズンを過ごせました」と振り返る。

 また「なぜ、奥寺氏がバイエルン・ミュンヘンじゃなく、ケルンに来たのか。それは世界で最も大きい体育大学がケルンにあり、そこと提携したことで日本とのつながりが増えて実現できたのです。日本とのつながりを、今後もより深めていきたい」と今後の関係性にも言及した。

 ケルンはJ1サンフレッチェ広島と育成業務提携を2027年まで延長したが、ケルン市と京都市が姉妹都市提携を結んでいるため、京都サッカー協会とのつながりがあり、情報共有や指導者の交流をしているという。

 レヤェック社長は「日本人はドイツ人とプレースタイルが違い、テクニックが素晴らしい。ピッチ上でも素晴らしいが、我々が(日本から)勉強したいのはプロフェッショナルな部分。本当にリスペクトを示す姿勢があり、秩序があって、プロ意識もドイツの選手たちよりも高い。我々の選手にも勉強させたい」と、コメントした。

 今回は育成業務提携を延長した広島と、湘南ベルマーレの試合を観戦したというレシャック社長は「プレーは1対1が多く、強度も高い。フェアプレーの精神が、Jリーグのチームは素晴らしい。選手たちを見ていても、サッカーができる喜び、感謝の気持ちが伝わってきた。我々、ケルンの選手には少し足りない部分で、プレーできることが当たり前になっていると感じた。試合前、試合後にもファンのところに挨拶に行き、感謝を伝えていた。それはドイツではあまり見られないので素晴らしいなと思いました」と、説明した。

 プロスポーツは、観戦するファン・サポーターがいて成り立っている。日本では当たり前のように行われる試合前後の挨拶だが、その姿がレヤェック社長には高いプロ意識と映ったようだ。

FOOTBALL ZONE編集部