「イクメン」を自称する男性のことを信じられないのは私だけでしょうか。今回は私の知人A子さんから聞いた、自分は子育てをしてきたと言い張るモラ夫とその末路をご紹介します。

「俺は子育てしている」と言い張る夫

結婚してからずっと、手のかかる面倒なことはすべて妻に丸投げしてきたA子の夫は、今で言うモラ夫。特に子育て中はひどいものでした。子供が少しでもぐずりだすと、「やっぱり母親しか無理」と言いながら、A子に任せて自分はどこかへ出掛けてしまうのです。おむつ替えもやってくれるのは小のときのみ。大のときはA子を呼び、パスする始末。

それにもかかわらず、「俺は子育てしている」と周囲には言いふらしていたよう。姑や舅はそれを鵜吞みにして、モラ夫を労わるばかり……。

A子から見れば、モラ夫は「子育てのいいとこ取り」をしているだけ。子供が機嫌のいい時だけ世話しておいて、泣いたり言うことを聞かなかったりするとA子任せ。これでは本当に子育てをしているとは言えないとA子は思っていました。

家事がおろそかになっていると妻を責める

しかし夫は、A子が子供の対応に追われ少しでも家事がおろそかになっていると、部屋が汚いだの、メシがまずいだのとA子を責めるのです。自分は掃除も一切せず、ご飯も作れないくせに文句ばかり……。

大変なときこそ夫婦で助け合うという意識がゼロのモラ夫のことを、A子はすっかり嫌いになってしまいました。

ついに妻が反撃開始!?

モラ夫がおとなしいA子に甘え続けた結果、子供たちが巣立ってからついに、A子は夫の分の食事作りや洗濯を拒否することに。最初は怒り狂う夫でしたが、今はもう諦めているようです。姑の暮らす自分の実家で過ごすことが多くなりました。高齢の姑に洗濯や食事の準備をさせているのでしょうか……。

夫ナシの老後を想定して……

育休後は職場復帰をして、長年家計を支えてきたA子。自分名義の口座にもそれなりの蓄えはあります。離婚も視野に、モラ夫の言動を長年書き留めたノートも。着々と、夫ナシの老後生活の準備を進めているA子でした。

初めての子育ては、産後うつを発症してしまう人もいるほど大変です。A子の場合、子育てのストレスに加えて夫もストレスの原因になっており、かなり精神的に辛かったそう。それでも愛する子供たちのためだと思い、離婚は踏みとどまったのだとか……。子供たちが巣立った今、A子には自分にとって最良の選択をしてほしいものです。

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

ltnライター:ichika.K