〈発売中の『婦人公論』4月号から記事を先出し!〉 NHK連続テレビ小説『ブギウギ』で、主人公・福来スズ子を支える家政婦・大野晶子さんを熱演、舞台や映画、ドラマで独特の存在感を見せる木野花さん。2023年には、演出家として読売演劇大賞・優秀演出家賞も受賞しました。自他ともに認める元気印の木野さんですが、体の痛みで動くこともままならなかった時期も。乗り越え舞台復帰できた理由を語ります。 (構成=村瀬素子 撮影=岸隆子)

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<前編よりつづく>

ストレッチ、筋トレ、特製ドリンク

そうして役者として波に乗り始めた頃に、股関節の痛みを抱えることになったわけです。「一病息災」という言葉がありますが、私は変形性股関節症を患ったからこそ、自分の体力や健康を過信してはいけないと気づかされました。食事や運動など生活習慣もすいぶんと変わったんですよ。

できるだけ料理をするようになったのもこの頃から。私はそれまで自炊をすることがなかったのです。以前は頻繁に深夜まで若者たちと飲んでいたけれど、回復力の衰えを実感してからは減りました。

今の私の体を支えてくれているのは、試行錯誤して辿り着いた朝のルーティンです。まず朝起きたら、開脚や腕伸ばし、前屈などストレッチを、最低でも15分は行っています。

筋肉が柔軟になるだけじゃなく、血流がよくなって、体が活性化。脳に血が巡って頭が働き始めるのがわかります。

その後は筋トレ。一つは背筋運動です。うつぶせの状態で、ベッドの端に足を引っかけて上下運動を10回と、上体を浮かせた状態をキープして10数えるのを1セット。3回繰り返します。

もう一つは、腹筋と体幹を鍛える運動、プランク。うつぶせで足の爪先と前腕を床につき、腰を浮かせてキープします。これを1分半ほど。