2トントラック6台分のものを処分して…

今住んでいる家は、結構大きいよ。ちょうど大橋巨泉さんに「お前、家も買えないのか?」って挑発されて、いい家を探していた矢先、売りに出されて飛びついた。というのも、僕が5畳半の家に住んでいた貧乏時代に、「いつか豪邸に住んでやる」と思って読んでいた『モダンリビング』という雑誌に6ページに渡って掲載されたこともある家だったから。

家主さんが多額の借金抱えての売却だったみたいで、契約に行ったらその家の奥さんが泣いててさ、なんでこんな気の毒な立ち会いがあるんだろうと思ったよ。竣工当初、美術館ができるのかな?って近所に思われたくらい凝った作りの家だったから、惜しむのも当然なんだけど。

ただこういう家ってランニングコストもすごくかかる。全館冷暖房でちょっと壊れても修理が大変だし、天井が高くて温度調節にも一苦労。おまけに入り組んでいるから、妻に言わせると1回の掃除に8時間かかるんだって。妻は他人任せが嫌いな質だから、いつも自分で掃除してくれている。ありがたいよね。

今回のリフォームで、同居していた義母用の洗面所やお風呂、洒落た茶室や仏間なんかも潰して、全部が僕のコレクションを置く場所になった。

リフォームに備えて妻は、自分の荷物をコツコツ整理して、自分の車を使って運び出し、その上、僕のビルの整理も手伝ってくれました。整理は、第1次選抜から始まって、第4次選抜くらいまでやって、4分の3は処分したものの、それでもものすごい量が残ってしまった。2回に渡った引っ越しでは、本やDVDやCDをお任せパックで梱包してもらったの。

僕は全作品をアイウエオ順に並べていたからそのまま入れてくれるかな?と思いきや、当然なんだけど何人かいるスタッフさんがあちこちからスタートして…ほとんどバラバラになった。この引っ越しで僕もすごく疲れたし、それ以上に妻はつらかったと思う。若く見える彼女が老けてしまったように見えたくらい。