福井県越前町宮崎地区で4月12日、特産のタケノコの本格出荷が始まった。JA福井県によると、今年は収量の多い「表年」に当たり、出荷見込みは昨年比3倍超の130トン。生産者が早朝から山に入り、手際よく掘り起こしていった。

 粘土質の赤土で育つ宮崎地区のタケノコは「赤子」と呼ばれ、柔らかくアクが少ないのが特長という。

 生産部会の副会長大西義孝さん(73)の竹林では保水・保温のため、地表にもみ殻をまいて育てている。ふかふかの斜面を歩き、足裏の感覚を頼りにタケノコを探し当てると、力強くくわを振り下ろし、次々と収穫を進めていった。

 妻敬子さん(74)は「シャキシャキのタケノコは春の香りがする。和洋中どんな料理でもおいしい」と笑顔を見せた。

 朝採れのタケノコはその日のうちに集荷され、越前町の直売所「おもいでな」や県内各地のスーパーに並ぶ。収穫は5月中旬ごろまで。