アストロズのバーランダーがインタビューで言及…問題の根底はリトルリーグにも

 アストロズのジャスティン・バーランダー投手が7日(日本時間8日)、地元テレビ局のインタビューに応じた。現在メジャーリーグで相次いでいる投手の故障について「ピッチクロック制度」の影響だけではないと指摘。「パンデミックだ。解決には何年もかかるだろう」と私見を明かした。

 サイ・ヤング賞を3度受賞し、通算257勝を挙げている41歳のバーランダー。今季は右肩痛の影響で開幕を負傷者リスト(IL)で迎えたが、7日(同8日)に傘下3Aで実戦復帰を果たした。アストロズの地元テレビ局「KPRC2」のレポーター、アリ・アレクサンダーさんのX(旧ツイッター)で投稿されたインタビュー動画に登場した右腕は、投手の「負担増加」について分析した。

「ゲーム(野球)は大きく変わったと思う。ピッチクロックのせいにするのが一番簡単だろうけど、実際にはすべてのことが少しずつ影響を及ぼしている。一番大きいのは、投球スタイルが大きく変わったことだ。誰もが可能な限りハードに投げ、可能な限りボールを回転させている。諸刃の剣だよ。私はすべての答えを持っているわけではない」。

 現代野球では投手が球速やボールの回転数を向上させることが求められている、との論調だ。「2016年にボールが変化し始め、よく飛ぶようになったとき、私のピッチングへのアプローチの仕方が変化した。私は空振りさせたいと思うになった」と自身の投球も変化したと言及した。

 問題はメジャーリーグだけにとどまらないとも分析。「どうやって時間を巻き戻せばいいのか。トリクルダウン理論(システムまたは階層の最高レベルでのポリシー変更が、最終的には下位レベルに影響を与えること)はリトルリーグまで浸透している。手遅れにならないことを願うばかりだ」と警鐘を鳴らしつつ、「(これは)パンデミックだから、解決には何年もかかるだろう」と見通しを口にした。

 米球界ではアストロズのフランバー・バルデス投手やヤンキースのゲリット・コール投手、ブレーブスのスペンサー・ストライダー投手らが肘の故障で戦列を離れており、ガーディアンズのシェーン・ビーバー投手、マーリンズのエウリー・ペレス投手はトミー・ジョン手術を受ける決断をした。エース級の相次ぐ故障を受け、選手会は6日(同7日)にピッチクロック制度に対して「前例のない脅威」と異例の声明を発表。これを受け、大谷も8日(同9日)に「間違いなく負担は増えている。それは間違いないですね」と懸念を示していた。(Full-Count編集部)