「週刊ゴルフダイジェスト」で「ゴルヨガ」を連載中の斎藤大介トレーナーは最近、握力強化を積極的に取り入れたことで指導する選手たちの飛距離が伸びたと話す。2024年5月28日号の「週刊ゴルフダイジェスト」にそのノウハウが掲載されているので、「みんゴル」でもその一部を紹介しよう。

●解説者プロフィール

斎藤大介(さいとう・だいすけ)

柔道整復師、鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を持ち、ヨガの国際資格RYT200も取得。

16年より米女子ツアー選手のトレーナーを務め、20〜22年は渋野日向子の専属トレーナーとして活動。現在、国内外の選手をサポートしている。「週刊ゴルフダイジェスト」で「らくらくゴルヨガ」を連載中。

握力はゴルフと健康のバロメーター

青木瀬令奈や臼井麗香などを指導する斎藤大介トレーナーは、プロを目指すアマチュアなども含め、数多くの選手を見ている。そんな体の専門家である斎藤トレーナーが、今最も注目しているのが「握力と手首」だという。

「ゴルフにおいてクラブと体が唯一つながる部分は手しかありません。どんなに体が強くても手元が弱くては、いいショットは打てませんし、飛距離も出せません。現在プロや上級者のデータを集めていますが、握力が弱い選手ほど、強く&速く振れないことがわかってきました。これはアマチュアにも当てはまると考えています」

握力が大事な理由は「握力が強いほど“力まず”にしっかり握れるから」
プロや上級者 = 左手が強い = 左手主導
アマチュア = 右手が強い = 右手主導

「握力が強いほど、力まずにしっかり握れるのでラフやバンカーの抵抗に負けずに振れます。またプロは左手が強く、アマは右手が強い傾向があり、これが技術レベルの差につながっています」(斎藤氏・以下同)

一般的に握力は、握力計で測った数値(〇〇kg)で判断されるが、この握力は筋力の代表的な指標と言われる。つまり体の健康状態を表すものでもある。

「握力テストは、スポーツ庁が実施する新体力テストで必ず行われるものです。ゴルフだけでなく、健康面でも重要な筋肉なのですが、握力は他の筋肉に比べて比較的ピークが長く、緩やかに衰えていく傾向があり、意外に軽視されがちです。ただ筋肉である以上、歳を取れば衰えます。だからこそ、握力を鍛え、筋力を維持することが必要なんです」

「前腕筋群ですから加齢によって衰えます」

スポーツ庁が公開している握力の平均値が上表。ピークが長く、衰えが緩やかなのが特徴。「ひじからつながる前腕筋群が握力のベース。筋力維持はゴルフにも健康にも欠かせません。日頃から意識して鍛えましょう」

「私がトレーナーをしていた渋野日向子選手は、握力がケタ外れに強かったです。40kを超える女子選手はなかなかいません」

ネリー・コルダの強さの秘訣も手元の使い方にあった

では、握力と手首はどんな関係があるのか? そしてゴルフにどんな影響を及ぼすのか?

「握力はひじから指まで伸びる前腕筋群が使われています。ですので、その筋肉が通る手首も握力と連動しているのです。スウィング理論にもよりますが、手首の角度はインパクト時の重要課題です。

「手首の角度がショットの精度に直結します」
手首の角度 = フェース面の管理

「スウィングにおいて手首の角度は重要です。掌屈や背屈といった角度がスウィングプレーンやフェースの向きに影響を及ぼすからです。掌屈は小指側の筋力が強く、背屈は人さし指側の筋力が強い傾向があります」

世界ランク1位のネリー・コルダも手元の使い方が上手いからこそ、フィジカルが生かせるし、正確なショットを生み出せるのです。アマチュアは手首の角度が上手に作れません。握力と手首を鍛えれば、飛距離もショットの精度も確実にレベルアップするはずです」

ネリーの正確なショットは握力と手首が支えている

出場5試合連続優勝 世界ランキング1位 ネリー・コルダ

米女子メジャー・シェブロン選手権で5試合連続優勝を達成したネリー・コルダは現在、パーオン率1位(76.54%)。正確無比の実力を証明している。
※スタッツは2024年5月16日現在

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飛距離アップに必要な手首と握力はどのように強化することができるのか? トレーニングのコツは2024年5月28日号の「週刊ゴルフダイジェスト」とMyゴルフダイジェストに掲載中!

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[https://my-golfdigest.jp/lesson/p154590/]

PHOTO/Akira Kato、Blue Sky Photos、Getty Images
THANKS/越谷ゴルフリンクスプライベートスタジオ

※週刊ゴルフダイジェスト2024年5月28日号「飛距離アップには“握力”と“手首”が大事 by 斎藤大介トレーナー」より一部抜粋