◆プロボクシング 「LIFE TIME BOXING FIGHTS20」▽フェザー級(57・1キロ以下)10回戦 〇堤駿斗 K O3回2分45秒 アンセルモ・モレノ●(17日、東京・後楽園ホール)

 WBA世界フェザー級10位、WBC同級8位の堤駿斗(志成)が17日、元WBA世界バンタム級(53・5キロ以下)スーパー王者でWBAフェザー級9位アンセルモ・モレノ(パナマ)とノンタイトル10回戦を戦い、3回KO勝ちした。3回に左アッパーでダウンを奪うと、立ち上がった相手に連打を浴びせて倒しきった。

 戦績は24歳の堤が5戦全勝(2KO)、38歳のモレノが43勝(15KO)7敗1分け。

 堤は16日の前日計量で1回目は58・75キロと規定体重を約1・6キロ超過。2時間後の再計量も58・7キロで失敗した。JBCの規定では当日計量で8%以内の超過まで対戦可能となるが、両陣営は7%超過までの条件で対戦に合意。当日計量は60・95キロでパスしていた。

 試合後にはリング上で「計量オーバーしてしまい申し訳ございませんでした」とモレノや関係者、ファンに向かって頭を下げた。体重超過した理由について3月下旬、米国合宿からの帰国直前に新型コロナウイルスに感染。肺への後遺症もあり、スパーリングやジムワークがほとんどできず、エアロバイクをこぐことや、お風呂で汗をかいて減量を図ったという。

 医師からは欠場を勧められたが、メインイベンターとして出場を直訴。しかし、計量までに減量できず「すべて言い訳。この日のために(体を)作ってきたモレノ選手に申し訳ない」と再び謝罪した。堤は昨年10月のプロ4戦目でも前日に高熱を理由に試合をキャンセル。2度目のため、半年のライセンス停止処分となる見込みだ。

 アマチュア13冠の堤は昨年5月、東洋太平洋フェザー級王座決定戦でジョー・サンティシマ(フィリピン)に判定勝ち。国内最速タイとなるプロ3戦目での東洋太平洋王座獲得。昨年12月には当時WBA世界同級15位で11戦全勝のルイス・モンシオン・ベンチャーラ(ドミニカ共和国)に3回KO勝ち。今年2月には世界タイトル奪取を見据え、東洋太平洋王座を返上していた。しかし、今回の一件で「フェザー級では減量に余裕がない。スーパーフェザー級に上げることも考えたい」と次戦以降は階級を上げる可能性を示唆した。