◆WEリーグ 第15節 大宮0―4三菱重工浦和(18日・NACK5)

 首位の三菱重工浦和が、アウェーで大宮に4―0で快勝した。3―0の前半24分、なでしこジャパンMF清家貴子が、自身が持つWEリーグ連続試合得点を更新する、9試合連続ゴールとなる追加点を決めた。

 背番号11の勢いが止まらない。前半24分、敵陣中央のMF塩越柚歩からの縦のグラウンダーパスに対し、ゴールに背を向けて受けた。その時、直前に似たシーンがあったことが頭をよぎった。その時は、大宮DF鮫島彩に対応され「速い」と感じていた。

 今度は機転を利かし、反転した。「ターンしてみたらフリーだった」今度は元なでしこDFを振り払ってシュートコースを作り、右足を振り抜いてゴールネットを揺らした。

 11日になでしこジャパンの米国遠征から帰国。14日にノジマ相模原戦(○2―0)で83分間プレーし、4日後のこの日も先発し、前半のみ出場した。「中3日開きましたし、(疲労感は)そこまででもないです。3日開けば十分かな」とタフネスぶり。「次(のマイナビ仙台戦)が中2日というのも考えながら、体だけではなく頭を使って、どうしたらはがしていけるか」体だけでなく頭もキレがあるからこそ生まれたゴールだった。

 男子ではJ1でサリナス(横浜M)が8戦連続ゴール(97年第2S11節〜98年第1S1節)を記録している。男女の違いはあるが、国内のプロトップリーグでの連続得点も塗り替えた格好だ。「そろそろ嫌ですね。こうやって(報道陣に)言われるので。決めなきゃってなっちゃうので」と苦笑い。ゴールを重ねていても「チームとしての勝利が一番なので。そこは忘れないようにしたい」と控えめだが、楠瀬直木監督は「清家は、まだまだ勢い止まらずにきてほしい」と頼もしさに目を細めた。

 1試合消化が少ない2位のINAC神戸が敗れ、三菱重工浦和との勝ち点差は7に開いた。連覇に向けて前進したが、清家は「全勝をするしかない。そうじゃないと優勝できない」ときっぱり。パリ五輪代表入りにもつながる活躍で、2年連続のタイトルを目指す。(田中 孝憲)