巨人が「ジャイアンツU15ジュニアユース」として創設した多摩川ボーイズが6日、本格始動した。1年生24人の1期生が汗を流している。ラプソードなど最新鋭の設備を導入する一方で、選手だけのミーティングなどを行い主体性を持たせる指導を行う。片岡保幸監督(41)は「どんどん失敗して成長につなげてほしい」と“失敗のススメ”を説いた。デビュー戦が5月3日に旧巨人軍多摩川グラウンドの多摩川緑地広場硬式野球場で行われることも判明した。

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 多摩川ボーイズが1年生24人で元気いっぱいにスタートした。片岡監督は「楽しくやって夢中になれる環境を作りたい。トライして失敗から何を感じるか。プロで自分ほど失敗した選手はいないと思う。でも、そのお陰で300以上、盗塁ができたので」と語った。

元慶大助監督で、朝日大・林卓史教授(49)が投手コーチに就任。慶大で高橋由伸氏の同期のエースとして活躍、データ分析に定評がある。林コーチは早速、ラプソードで全選手の球速を計測した。適性を見るために、さまざまなポジションに挑戦させ、実戦でも当面1イニング限定で継投する方針だ。

 3月の開幕戦で始球式をした右腕・関が120キロを、原は121キロを記録。ともにジャイアンツジュニアで原は両投げ。左でも115キロを記録する逸材だ。小学1年からジャイアンツアカデミーに通う原は「環境がいいし、すごい選手が集まると思った」と“昇格”を選択した。

 巨人・阿部慎之助監督(45)の長男・成真は「すごい人がいっぱいいるので、自分ももっと頑張りたい」と闘志を燃やす。侍ジャパンの井端弘和監督(48)の長男・巧、DeNA小池正晃外野守備コーチ(43)の次男・樹里はベイスターズジュニア。「お父さんに勧められて」と入団を決意した巧は小学6年から木製バットで練習しており、試合でも木製で挑む意向だ。

 技術だけでなく、選手間ミーティングやディベートなどを取り入れ、栄養学や心理学の講義もオンラインで行う。スタッフ全員もコーチングの講習を受けた。大森剛代表(56)は「気合と根性は後からでも学べる。今やるべきことを」と人間性の成長に期待する。

 初陣は5月3日、旧巨人軍多摩川グラウンドで東京城南と女子硬式野球エイジェックユースと対戦する。チーム名のゆかりの場所での初戦に巧は「みんな緊張すると思うけれど、僕は緊張には慣れているので引っ張っていきたい」と決意を語った。

 【多摩川ボーイズ・メンバー】数字は背番号

 ▽1年生

阿部 成真=33

池田 壮希=63

井端 巧=2

薄田 翔太=81

小笠原 快=27

岡野 美志=13

小田嶋 颯大=75

川島 悠士朗=40

木原 稟=30

小池 樹里=24

小貫 奏瑠=59

小林 航=37

小山 哲慎=10

佐藤 善人=78

関 蓮太郎=99

高橋 空来=53

中島 颯玖=93

原 悠翔=21

藤森 輝=7

堀之内 拳=46

増田 球太=72

山口 裕海=43

和田 拓人=66

渡邉 颯音=56

※五十音順、主将は未定

◆「1」「3」など欠番

 〇…背番号は3年間通しの番号だ。大森代表は「次の学年のためにも1桁を空けている」と説明、選手同士の話し合いで決めた。井端巧は父が巨人時代につけた2番を、原はジャイアンツアカデミーの井納コーチの21番を選択。ちなみに巨人の永久欠番(1、3、4、14、16、34)は多摩川ボーイズでも欠番だ。NPB12球団トーナメントのジャイアンツジュニアは薄田、関、原、藤森、堀之内、山口の6人、ベイスターズジュニアは井端、小池、渡邉の3人。