◆パ・リーグ 西武0―4ソフトバンク(5日・ベルーナドーム)

 球場に駆けつけた子どもたちは目を見開いて、放物線を追った。ソフトバンク・柳田が特大弾をかっ飛ばした。1―0の4回先頭。左腕・隅田の内角直球をフルスイングだ。「いい素振りができていた。完璧です」。大きな弧を描いた打球は右翼ポールを巻いて、スタンド上段にズドン! 直近3試合で12打数無安打7三振だったが、4試合ぶりの4号ソロで3連敗ストップに貢献した。

 再び2ケタ貯金に乗せた首位のチームは、14年から「こどもの日」に2引き分けを挟んで8連勝。55〜63年の西鉄、64〜70年のロッテに並ぶリーグ最長に達した。その強さの象徴がギータだ。15年にサヨナラ弾、18年にも決勝2ラン。この日は2点リードの7回1死満塁でも中前2点打を放つなど、今季4度目の猛打賞の大活躍だった。

 自身は小学生時代に野球を始め、通算2020安打の地元・広島の野村謙二郎に憧れた。「球場へ見に行った時、先頭打者ホームランを打たれて、どっぷりはまりました」。当時の柳田少年のように、今は羨望のまなざしを向けられる。「ぜひ、プロ野球選手になって、西武かソフトバンクに入ってくださいって気持ちです」と、未来の同志にエールを送った。(小松 真也)